WordPress活用

WordPressのスパムコメント対策と迷惑投稿防止

最終更新日:2026年8月12日 ZenWeb Japan 編集部
結論:WordPressのスパム対策は、プラグインを1つ入れて終わりにはなりません。標準設定で入口をせまくして、Akismetで自動的にふるいにかけ、フォームには別の守りを置く。この三段構えで、ほとんどの迷惑投稿は止まります。そして最後に効いてくるのは、誰がいつ確認するかを決めておくことです。

01はじめに|この記事でわかること

要点:この記事では、WordPressのスパム対策を「設定・プラグイン・運用」の3つに分けて整理します。どこまでやれば十分か、どこから制作会社に任せるべきかがわかります。WordPress制作と保守でいただくご相談をもとにまとめました。

「朝、管理画面を開いたら英語のコメントが40件たまっていました」。企業サイトのご担当者から、月に何度も聞くお話です。放っておけば数は増える一方ですし、毎朝ひとつずつ消すのも時間がもったいない。

お伝えするのは、2000年創業のWeb制作会社ZenWeb Japanが、企業サイトの構築とメンテナンスで積み上げてきた記録です。プラグインの設定手順そのものより、「どの組み合わせなら手が離れるか」に重心を置いて書いています。

この章のポイント:スパム対策のゴールは、ゼロにすることではありません。担当者が毎朝確認しなくてよい状態にすることです。

まずはAkismetの設定画面を、動画で確認しておきましょう

504 Akismetの設定方法|【5/全17回】初心者向けWordPressの基本操作がわかるファースト講座

出典動画:Web&AI活用術 WEBST8 ウェブストエイトチャンネル(YouTube)

02スパムコメントとは?誰が何のために送っているのか

要点:スパムコメントは、人ではなくプログラムが自動で書き込んでいます。目的の多くは、自分のサイトへのリンクを増やすことです。あなたを狙ったわけではなく、放置されたWordPressを機械的に探して回っています。

まず知っておいていただきたいのは、送り手が人間ではない点です。ボットと呼ばれる自動プログラムが、世界中のサイトを巡回しています。コメント欄やフォームを見つけたら、定型文を投げ込んでいく。ただそれだけの作業です。

目的は大きく3つです。

  • 被リンク目的。自分のサイトのURLをあちこちに残して、検索評価を上げようとするものです。いちばん数が多い型です。
  • 誘導目的。偽の通販サイトや投資話へ誘い込む文面です。読者が実際に踏むと被害が出ます。
  • 試し打ち。コメント欄が生きているか、承認なしで公開されるかを確かめる書き込みです。ここで反応があると、本格的な投稿が始まります。

つまり最初の1件は偵察です。ここで止めておけば、数十件に増えることはありません。

この章のポイント:相手は機械です。だからこそ、機械が嫌がる設定を最初に置いておけば、大半は素通りしてくれます。

03放置すると何が起きるか|3つの実害

要点:実害は3つです。会社の信用が下がること、表示が遅くなること、担当者の時間が毎日削られること。順位が急に落ちるような派手な被害より、この地味な3つがずっと現実的です。WordPressのセキュリティ対策と地続きの話でもあります。

いちばん痛いのは信用です。記事の下に、意味の通らない外国語のコメントが並んでいる。それだけで「ここは管理されていないな」と伝わります。取引先が見るサイトなら、無視できません。

次にサイトの重さです。スパムコメントも、承認前の状態でデータベースに保存されます。数万件たまったサイトでは、管理画面の表示が目に見えて遅くなります。表示速度は検索順位にも関わる部分です。

最後に人の時間です。1件の確認と削除に10秒でも、1日30件なら5分。1か月で2時間半が消えます。記事を1本書けるだけの量です。

スパムの本当のコストは、削除にかかる時間ではありません。「今日も来ているだろうな」と毎朝身構える、その気疲れのほうです。
この章のポイント:被害は一気に来ません。信用・速度・時間が、少しずつ削られていきます。

すでに数百件たまってしまっていませんか。

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04入口別に見た、迷惑投稿の平均件数

要点:迷惑投稿はコメント欄だけから来るのではありません。メンテナンスでお預かりしている企業サイトを入口ごとに数えると、コメント欄が約6割、お問い合わせフォームが約3割です。フォームの作り方を見直さなければ、半分しか解決しません。

入口別・1サイト月あたりの迷惑投稿件数
メンテナンスでお預かりしている企業サイトについて、迷惑投稿がどの入口から届いたかを分類し、1サイトあたりの月間平均件数と主な中身をまとめたデータ
入口 月あたり平均件数 全体に占める割合 主な中身
記事のコメント欄 128件 58% 被リンク狙いの英文
お問い合わせフォーム 67件 30% 海外からの営業文・詐欺誘導
トラックバック・ピンバック 18件 8% 自動生成サイトからの通知
会員登録・資料請求 9件 4% 架空アドレスでの登録

出典:ZenWeb Japanのメンテナンス運用データ(2024〜2026年、日本国内)。対策を入れる前の状態で集計。

コメント欄を閉じたのに迷惑メールが止まらない、というご相談が多いのはこのためです。入口は複数あります。どこから入られているかを先に確かめてください。

この章のポイント:コメント欄とフォームは別の入口です。対策も別々に用意する必要があります。

05まずWordPressの標準設定で止める

要点:プラグインを増やす前に、管理画面の「設定」→「ディスカッション」を見直してください。承認制とリンク数の制限を入れるだけで、公開されてしまう迷惑投稿はほぼ止まります。プラグインは入れすぎると別の問題を生むため、標準機能が先です。

WordPress標準機能でスパムを減らす手順

管理画面だけで完結する設定です。上から順に進めてください。

  1. コメントの手動承認を有効にする。「設定」→「ディスカッション」で、コメントを表示する前に手動承認を必須にします。これで、少なくとも公開はされなくなります。
  2. リンク数の上限を1に下げる。初期値は2ですが、1にすると被リンク目的の投稿はほぼ承認待ちに回ります。
  3. NGワードを登録する。「コメント内で許可しないキーワード」に、実際に届いた投稿から目立つ単語やURLを入れます。数を増やすより、届いたものを都度追加するほうが確実です。
  4. ピンバックとトラックバックを切る。「他のブログからの通知を受け付ける」のチェックを外します。企業サイトで使う場面はほとんどありません。
  5. 古い記事のコメントを自動で閉じる。公開から30日や60日でコメントを締め切る設定です。狙われやすい古い記事から、入口が消えていきます。

ここまでで、公開されてしまう事故は防げます。ただし「承認待ち」の箱にはたまり続けます。担当者の手が空かないので、次のAkismetが必要になります。

この章のポイント:標準設定は「公開させない」ための守りです。「見なくてよくする」のは、この次の段階になります。

06Akismetの仕組みと、法人利用での注意点

要点:Akismetは、届いたコメントを世界共通のデータベースと照合し、自動でふるい分けするプラグインです。WordPressに最初から同梱されています。ただし法人サイトは有償プランが前提です。WordPress制作でも、つまずきやすい部分です。

仕組みは単純です。コメントが届くたびに、内容と送信元の情報をAkismet側へ送り、過去に報告された迷惑投稿と照合します。似ていればスパム箱へ、問題なければ通常のコメントへ。担当者は何もしなくてよくなります。WordPress.org公式のプラグインページでも、コメントとお問い合わせフォームの両方を対象にすると案内されています。

導入で気をつけたい点は3つあります。

  • APIキーの取得が必要。プラグインを有効化しただけでは動きません。Akismet側でアカウントを作り、キーを登録して初めて機能します。
  • 商用サイトは有償プラン。無償プランは個人ブログ向けです。会社のサイトや、商品を売っているサイトでは有償プランを選んでください。
  • まれに正しいコメントも弾く。お客様からの問い合わせがスパム箱に入る可能性はゼロではありません。だからこそ、次に触れる運用ルールが要ります。

なお、日本語のサイトでは「日本語を含まない投稿を拒否する」プラグインを併用する手もあります。国内向けなら、これだけで海外からの投稿がほぼ消えます。

この章のポイント:Akismetは自動でふるいにかける道具です。法人サイトでは有償プランになる点を、予算に含めておいてください。

07対策の組み合わせ別に見た、すり抜け率

要点:対策を1つだけ入れた場合と、重ねた場合では結果がまるで違います。標準設定だけでは3割近くがすり抜けますが、Akismetと合わせると数%まで下がります。WordPressのスパム対策で効くのは、強い1つより組み合わせです。

対策の組み合わせ別・管理画面に残る割合
スパム対策の組み合わせごとに、届いた迷惑投稿のうち担当者が管理画面で目にする割合をまとめたデータ
対策の組み合わせ 担当者が目にする割合
対策なし
100%
標準設定のみ
28%
Akismetのみ
12%
標準設定+Akismet
4%
標準設定+Akismet+フォーム側の判定
1%

出典:ZenWeb Japanのメンテナンス運用データ(2024〜2026年、日本国内)。導入前後の同一サイトで比較。

注目していただきたいのは、Akismet単体より「標準設定+Akismet」のほうが結果がよい点です。標準設定で入口をせまくしておくと、Akismetが判断する母数そのものが減ります。順番を守るだけで、精度が上がります。

この章のポイント:プラグインを1つ足すより、標準設定と重ねるほうが効きます。順番は設定が先です。

08お問い合わせフォームの守り方

要点:フォームにはコメント欄と別の守りが要ります。定番はGoogleのreCAPTCHAで、送信者の動きから機械らしさを点数で判定します。あわせてフォームの項目設計を見直すと、体感できるほど減ります。

reCAPTCHAの最新版は、画像を選ばせる方式ではありません。Googleの公式ドキュメントによると、v3は訪問者の操作を0.0から1.0の点数で評価し、1.0に近いほど人間らしいと判定します。お客様には何も表示されないため、入力の邪魔になりません。

設定では、しきい値の置き方に気をつけてください。厳しくしすぎると、本当のお問い合わせまで届かなくなります。まずは中間の値から始め、届いた内容を見ながら調整してください。

フォーム側の工夫も効きます。

  • ふりがな欄を必須にする。ひらがなでの入力を求めると、海外からの自動送信はほとんど通りません。国内向けサイトで効果が高い方法です。
  • 自動返信メールの本文を短くする。自動返信を悪用され、自社のアドレスから迷惑メールが送られる形になる場合があります。
  • 送信先を担当者個人のアドレスにしない。共有アドレスで受け、フィルタをかけるほうが後々らくになります。
この章のポイント:フォームは「判定を足す」と「項目を工夫する」の両方で守ります。片方だけでは足りません。

09対策を入れたあと、件数はどう変わるか

要点:対策を入れた翌月に、ゼロにはなりません。ボット側が反応を確かめにくるため、届く件数はしばらく高いままです。担当者が実際に目にする件数が落ち着くのは3か月目あたりからで、半年で1桁台に収まるのが標準的な形です。

対策導入後6か月・月別の件数推移
標準設定とAkismetを同時に導入した企業サイトについて、導入月から6か月間の届いた件数、自動で処理された件数、担当者が確認した件数の推移をまとめたデータ
経過月 届いた件数 自動で処理 担当者が確認
導入月 213件 176件 37件
1か月後 198件 182件 16件
2か月後 164件 156件 8件
3か月後 121件 116件 5件
4か月後 94件 90件 4件
6か月後 71件 68件 3件

出典:ZenWeb Japanのメンテナンス運用データ(2024〜2026年、日本国内)。標準設定とAkismetを同月に導入した企業サイトの平均。

届いた件数そのものは、半年かけてゆっくり減ります。反応が返ってこないサイトは、巡回先から外れていくためです。担当者の負担は、その前に落ち着きます。

この章のポイント:導入直後に減らなくても、失敗ではありません。3か月は様子を見てください。

10コメント欄を残すか、閉じるか

要点:企業サイトの多くは、コメント欄を閉じてしまってかまいません。読者との交流を設計に組み込んでいないなら、開けておく理由がないからです。判断は、ワイヤーフレームを引く段階で決めておくと迷いません。

コメント欄を残す価値があるのは、読者同士のやり取りが記事の中身になる場合です。質問と回答が積み上がるメディアなら、閉じるのはもったいない。

一方、会社紹介とサービス案内が中心のサイトでは、コメント欄はまず使われません。閉じたほうが管理は確実にらくになります。閉じ方は2通りです。

  • これから公開する記事だけ閉じる。「設定」→「ディスカッション」で新規投稿のコメントを既定でオフにします。
  • 公開済みの記事もまとめて閉じる。投稿一覧の一括編集で、コメントを不許可に変更します。件数が多い場合はここでまとめて処理します。

なお、コメント機能の考え方はCMSによっても違います。WordPressとMovable Typeの違いを検討中なら、この点も比較材料に加えてください。

この章のポイント:使っていないコメント欄は、守るべき資産ではなく、開けっぱなしの入口です。

自社サイトはどこまでやれば十分か、迷っていませんか。

サイトの目的と更新体制を伺えば、必要な範囲はその場でお答えできます。 WordPress保守代行でできる範囲を見る →


11手段別に見た、導入の手間と毎月の確認時間

要点:対策は、入れるときの手間と、入れたあと毎月かかる時間の両方で比べてください。標準設定は30分で終わり、その後の負担もほぼありません。一方で何もしない選択は、毎月2時間半を静かに使い続けます。

対策手段別・導入工数と毎月の確認時間
スパム対策の手段ごとに、導入にかかる作業時間、導入後に毎月かかる確認時間、および社内で対応できるかどうかをまとめたデータ
手段 導入の作業時間 毎月の確認時間 社内で対応できるか
何もしない 0分 約150分
標準設定の見直し 約30分 約40分 できる
Akismetの導入 約60分 約15分 おおむねできる
フォームへの判定追加 約120分 約10分 制作会社向き
コメント欄を閉じる 約20分 0分 できる

出典:ZenWeb Japanのメンテナンス運用データ(2024〜2026年、日本国内)。初回設定の実測と、担当者への聞き取りをもとに集計。

初日の30分を惜しむと、毎月2時間以上を払い続けます。まず標準設定、次にAkismet、フォームは制作会社に任せる。この順番がいちばん無理がありません。

この章のポイント:「何もしない」は無料ではありません。毎月2時間半という形で支払っています。

12運用ルール|誰がいつ確認するか

要点:自動でふるいにかける以上、まれに本物のお問い合わせが混ざります。そこで「週に1回、スパム箱をざっと見る」ルールだけ決めてください。プラグインの更新を止めないことと合わせて、この2つが運用の柱になります。

おすすめは、次の3つを決めておくやり方です。負担は月に15分ほどで収まります。

  • 週1回、担当者がスパム箱を見る。会社名や日本語の文章が含まれるものだけ拾えば十分です。全部読む必要はありません。
  • NGワードは届いたものから足す。先回りして増やすより、実際に来た文面から拾うほうが精度が上がります。
  • スパム箱は自動削除に任せる。Akismetは古いものを自動で消してくれます。手作業で消す時間はもったいない。

設定を大きく変える日は、公開前にメンテナンスモードを使うと安心です。あわせて、変更前の状態をバックアップで残しておいてください。

この章のポイント:週1回15分。この習慣だけで、大事なお問い合わせを取りこぼす心配がなくなります。

13まとめ|今日からできる順番

要点:WordPressのスパム対策は、標準設定・Akismet・フォーム側の判定という順番で重ねるのが確実です。使っていないコメント欄は閉じてかまいません。手が回らない場合は、WordPress制作と保守のご相談でまとめて整えられます。

要点をまとめます。

  • まずは標準設定から。承認制とリンク数の制限で、公開事故は防げます。30分で終わります。
  • 次にAkismet。自動でふるいにかけます。法人サイトは有償プランが前提です。
  • フォームは別に守る。入口が違うので、コメント欄の対策だけでは止まりません。
  • 使わないコメント欄は閉じる。企業サイトでは、これがいちばん確実で早い方法です。
  • 週1回だけ確認する。本物のお問い合わせを取りこぼさないための保険です。

ZenWeb Japanは2000年の創業以来、企業サイトの構築とメンテナンスを続けてきました。日本品質を適正価格でという方針は、こうした地味な運用でも変わりません。派手な機能より、担当者の手が離れる形をお勧めしています。

スパム対策の設定、まとめてお任せいただけます。

ZenWeb Japanは2000年創業、日本品質を適正価格でご提供しています。いまの設定を確認し、たまった投稿の整理から再発しない形づくりまで、必要な範囲だけご提案します。コメント欄を閉じるだけで済む場合は、そのようにお答えします。

無料で相談する →

14よくある質問

要点:WordPressのスパム対策について、企業のご担当者からよくいただく質問を5つまとめました。無料で足りるのか、たまった投稿の消し方、SEOへの影響、プラグインの数、そしてプラグイン選びとの関係についてです。

1. 無料のプラグインだけで足りますか?

個人のブログであれば足ります。ただし会社のサイトでAkismetを使う場合は、有償プランが前提です。無償プランは非商用の個人利用に限られているため、法人サイトでの利用は規約に沿いません。月々の費用は大きくないので、予算に含めておいてください。

2. すでに数千件たまっています。まとめて消せますか?

消せます。管理画面のコメント一覧でスパムとして分類されたものを一括削除できます。件数が数万件を超える場合は、データベース側で処理したほうが速く、途中で止まる心配もありません。この作業は制作会社に任せたほうが安全です。

3. スパムコメントを放置すると検索順位は下がりますか?

承認されずスパム箱に入っているだけなら、直接の影響はほとんどありません。問題になるのは、承認して公開してしまった場合です。外部サイトへのリンクが大量に並ぶと、サイト全体の評価を下げる要因になります。まずは公開させない設定を優先してください。

4. 対策プラグインは何個まで入れてよいですか?

スパム対策に限れば、1つか2つで十分です。同じ役割のプラグインを重ねると、判定がぶつかって本物のお問い合わせまで弾かれることがあります。数を増やすより、標準設定と組み合わせるほうが結果は良くなります。

5. コメント欄を閉じたのに迷惑メールが届きます。なぜですか?

入口がお問い合わせフォームだからです。コメント欄とフォームは別の仕組みで動いているため、片方を閉じてももう片方は開いたままになります。フォーム側にreCAPTCHAなどの判定を足し、あわせて入力項目を見直してください。

まずは、いまお困りのことを聞かせてください

ご相談は無料です。要件が固まっていない段階でも構いません。内容をうかがったうえで、進め方とお見積りをご提案します。