ホームページ制作の基礎

ホームページの原稿の書き方|依頼側の準備

最終更新日:2026年8月12日 ZenWeb Japan 編集部
結論:ホームページの原稿は、うまい文章を書く作業ではありません。「誰に、何を伝えて、どうしてほしいか」を決め、それを言葉にする作業です。発注側が用意するのは、正確な事実と社内にしかない情報。整える仕事は制作会社に任せてかまいません。この記事では、書く順番、分量の目安、渡し方をまとめます。

01はじめに|この記事でわかること

要点:この記事は、制作会社から「原稿は御社でご用意ください」と言われた発注側の方に向けたガイドです。何を、どの順番で、どこまで書けばよいのかを整理します。全体の工程はホームページ制作の流れもあわせてご覧ください。

キックオフの打ち合わせが終わり、制作会社から連絡が届きます。「では、原稿をお願いします」。ここで手が止まる会社は多いです。

ホームページの原稿について書かれた記事の多くは、文章のコツを教えてくれます。どれも正しい話です。ただ、依頼した側が最初に困るのはそこではありません。どこまでを自分たちが書くのかが分からない。ここです。

この記事では、2000年創業のWeb制作会社ZenWeb Japanが、実際の案件で発注側とやりとりしてきた経験をもとに、原稿づくりの進め方をまとめます。文章術ではなく段取りの話です。

この章のポイント:原稿づくりでつまずく原因は文章力ではなく、分担があいまいなことです。まず「どこまで自社で書くか」を決めてください。

本題に入る前に、依頼前の準備を短時間でつかめる動画をご紹介します。

ホームページ制作の前に!WEB制作のプロが教える準備リスト

出典動画:YouTube


02ホームページの原稿とは?誰がどこまで書くのか

要点:ホームページの原稿とは、各ページに載せる文章のもとになる素材のことです。完成した文章である必要はありません。どのページに何を載せるかは、サイト構成図で先に決まっているはずなので、原稿はその箱を埋めていく作業になります。

まず言葉の整理です。制作の現場で「原稿」と呼ぶものは、二つに分かれます。

  • 事実の素材。正式名称、沿革、資格や許可番号、対応エリア、料金、実績の数字。社内にしかない情報で、発注側しか出せません。
  • 伝え方の文章。見出しのつけ方、リード文、選ばれる理由の言い回し。書き慣れた人なら早いですが、発注側の仕事とは限りません。

この二つを分けずに「原稿をお願いします」と言われるので、話がややこしくなります。実際の分担は、次の三つに落ち着きます。

分担のパターン 発注側がやること 向いている会社
自社で全文を書く 見出しから本文まで、すべて用意する 広報担当がいて、書き慣れている
素材を出し、整えてもらう 箇条書きと既存資料を渡し、文章は任せる 中小企業の多く(もっとも現実的)
取材して書いてもらう ヒアリングに答え、事実確認をする 社内に書ける人も時間もない

真ん中のパターンが、いちばん多く選ばれます。事実は社内から、言い回しは制作会社から。なお、取材ライティングは別料金になるのが一般的です。見積りの段階で確認しておいてください。

この章のポイント:原稿は完成した文章でなくてかまいません。事実の素材を出しきることが、発注側の仕事です。

03なぜ原稿が制作の納期を止めるのか

要点:原稿が届かないと、デザインも組み立ても先に進みません。文字数が決まらないと見た目が決まらないからです。ワイヤーフレームまで承認が終わっているのに公開日が動くとき、原因はたいてい原稿の遅れです。

「デザインを先に進めてください」と言われることがあります。ただ、仮の文字で作ったデザインに本物の原稿を入れると、たいてい収まりません。

たとえば、こんなずれが起きます。

  • 見出しが長すぎて二行になる。一行で組んだデザインが崩れ、余白も取り直しです。
  • 本文が想定の半分しかない。スカスカに見えるので、写真を足すかレイアウトを作り直すかの判断が要ります。
  • 項目数が合わない。3つ並びで作った箇所に5項目届けば、並べ方から考え直しです。

つまり原稿は、デザインの材料です。材料が届く前に形だけ作ると、届いた瞬間に作り直しになります。原稿の遅れは、そのまま公開日の遅れです

この章のポイント:原稿はデザインの材料です。先にデザインだけ進めても、あとで作り直しになるだけです。

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04制作が止まった原因の内訳|原稿はどれくらい効くか

要点:予定より公開が遅れた案件を振り返ると、止まった原因の4割超が原稿待ちでした。写真待ちや社内決裁がそれに続きます。費用の話は見積書の見方にまとめていますが、納期を左右するのは金額ではなく素材の到着です。

実際にどこで止まったのか、当社の案件を振り返って整理しました。

制作が止まった原因の内訳
公開が遅れた案件で、進行が止まった原因の内訳を割合で示した表。
止まった原因 割合 目安
原稿が届かない 44%
写真・素材が届かない 21%
社内の確認・決裁が長引いた 18%
公開直前の追加要望 11%
サーバー・ドメインの手続き 6%

出典:ZenWeb Japanの制作案件をもとにした整理(2024〜2026年)。規模や体制により前後します。

上位二つを足すと6割を超えます。どちらも発注側から届く素材です。逆に言えば、原稿と写真の段取りさえ組めば、遅れの大半は避けられます。写真についてはホームページ写真の撮り方で扱っています。

この章のポイント:遅れの6割は原稿と写真です。契約したら、真っ先にこの二つの担当と期限を決めてください。

05ホームページの原稿の書き方|5つのステップ

要点:ホームページの原稿の書き方は、読み手を決める→伝えることを箇条書きにする→順番を並べ替える→文章にする→社内で確認する、の5ステップです。どのページを書くかは必要なページ構成の一覧で先に固めておきます。

いきなり文章から書き始めると手が止まります。順番どおりに進めてください。

  1. そのページを読む人を一人決める。「見込みのお客様」では広すぎます。「小ロットの加工先を探している町工場の購買担当」くらいまで絞ります。ページごとに違ってかまいません。
  2. 伝えることを箇条書きで全部出す。文章にはまだしません。営業で毎回話していること、よく聞かれる質問、断られる理由への答え。ここが原稿の中身です。
  3. 読み手にとって大事な順に並べ替える。社内で言いたい順ではなく、相手が知りたい順です。多くの場合、会社の歴史より「何ができるのか」が先です。
  4. 箇条書きをつないで文章にする。一文は短く、一つの文に一つの内容だけ。話し言葉のままでも、制作会社が整えられます。
  5. 社内で確認して、数字と表記をそろえる。金額、日付、資格名、対応エリアは社内でしか確認できません。表記のゆれ(弊社/当社など)もここでそろえます。

4番で手が止まる方が多いのですが、3番まで終わっていれば十分に渡せます。箇条書きのままでも問題ありません

この章のポイント:文章にする前に、読み手を決めて箇条書きを並べ替える。この3ステップまで終われば、原稿は渡せます。

06ページ種類別・原稿の文字数の目安

要点:「どれくらい書けばいいですか」への答えは、ページによって違います。トップページは意外と少なく、サービス紹介がいちばん多くなります。ページごとの役割はコーポレートサイトのページ構成で整理しています。

ページ種類ごとに、実際どれくらいの分量になるのかを並べました。

ページ種類別・原稿の文字数の目安
ページ種類ごとの原稿の文字数、用意する時間、迷いやすい点をまとめた表。
ページ種類 文字数の目安 用意する時間 迷いやすい点
トップページ 400〜800字 2〜3時間 全部載せたくなる
会社概要 300〜600字 1〜2時間 登記情報との照合
サービス・商品(1ページ) 800〜1,500字 3〜5時間 専門用語が増える
実績・導入事例(1件) 400〜800字 2〜3時間 取引先への掲載許可
代表あいさつ 400〜700字 2〜4時間 本人の確認に時間がかかる
採用情報 600〜1,200字 3〜4時間 労働条件の表記
よくある質問(5問) 500〜1,000字 1〜2時間 質問の選び方

出典:ZenWeb Japanの制作案件をもとにした整理(2026年)。業種や構成により前後します。

意外に思われるのがトップページです。顔になるページだから多く書く、ということはありません。各ページへの入口なので、短いほうが読まれます。時間がかかるのは、社外の確認が入るページです。

この章のポイント:トップページは短く、サービス紹介は厚く。時間がかかるのは書く量ではなく、社外の確認が必要なページです。

07ページ別・原稿に必ず入れる項目

要点:何を書くか迷ったら、ページごとの必須項目から埋めてください。制作前の準備全般は依頼前に準備すべきことにまとめています。抜けやすいのは、対応エリアと料金の考え方の二つです。

白紙から書くのは大変ですが、埋める項目が決まっていれば進みます。

  • トップページ。何をしている会社か(一文)、誰に向けたものか、他と何が違うか、次にどこを見てほしいか。
  • 会社概要。正式名称、所在地、設立年、代表者名、資本金、従業員数、事業内容、許認可番号。登記簿と突き合わせます。
  • サービス紹介。できること、対象のお客様、進め方、料金の考え方、対応エリア、納期の目安、よくある質問。
  • 実績・事例。お客様の業種、依頼の背景、実施した内容、結果。社名を出すなら先方の許可を取ってください。
  • お問い合わせ。連絡先、受付時間、返信までの目安、相談できる範囲、個人情報の扱い。

いちばん抜けやすいのが対応エリアと料金の考え方です。金額を出せない事情は分かりますが、「30万円から」のような幅の表現があるだけで、お問い合わせの質が変わります。何も書かないと、そもそも来ません。

この章のポイント:白紙から書かず、項目を埋めていく。対応エリアと料金の考え方は、書かないとお問い合わせが減ります。

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08原稿の渡し方で、修正回数はどう変わるか

要点:同じ内容でも、渡し方で修正回数が変わります。ページごとに分けたファイルで、どこに入る文章かを書き添えて渡すと、往復が減ります。渡す単位はワイヤーフレームの読み方で決まった枠に合わせるのが基本です。

見落とされがちなのが、原稿の渡し方です。渡し方別に、公開までの修正が何回になったのかを整理しました。

原稿の渡し方別・公開までの修正回数
原稿の渡し方ごとの平均修正回数と、起きやすい行き違いをまとめた表。
渡し方 平均の修正回数 目安 起きやすい行き違い
ページ別のファイル+見出しの指定 1.4回 ほとんど起きない
全ページ分をまとめた1ファイル 2.6回 どこに入る文章か分からない
既存パンフレットのPDFを丸ごと 3.8回 載せる範囲の解釈がずれる
メール本文に少しずつ追記 4.3回 最新版がどれか分からなくなる

出典:ZenWeb Japanの制作案件をもとにした整理(2024〜2026年)。ページ数により前後します。

いちばん上といちばん下で3倍近い差があります。文章の質ではなく、渡し方だけでこれだけ変わります。ページごとにファイルを分け、見出し・本文・注釈がひと目で分かる形にしてください。差し替えは日付入りのファイル名で送り直します。メール本文への追記は、あとで混乱します。

この章のポイント:ページごとにファイルを分け、どこに入る文章かを書き添える。それだけで修正の往復が半分以下になります。

09読まれる原稿にする5つのコツ

要点:読まれる原稿のコツは、結論から書く、一文を短くする、専門用語を言い換える、数字で示す、読み手の言葉を使う、の5つです。文章と写真の組み合わせについてはホームページ写真の撮り方もあわせてご覧ください。

ここは文章の話です。難しいことはありません。5つだけ意識してください。

  • 結論から書く。「弊社は昭和58年の創業以来…」ではなく「金属加工を1個から承ります」から始めます。読み手は最初の数行で読むかを決めます。
  • 一文を短くする。句点までが60字を超えたら、二つに分けられないか考えます。読点でつなぎ続けた長い文は読み飛ばされます。
  • 専門用語を言い換える。社内で当たり前の言葉ほど危ないです。必要なら、初出のところに一行だけ説明を添えます。
  • 数字で示す。「豊富な実績」より「年間120件」。「短納期」より「最短3営業日」。具体的な数字が、そのまま信用になります。
  • 読み手の言葉を使う。社内では「表面処理」でも、お客様は「サビ止め」と検索しているかもしれません。営業が現場で聞く言い方を使ってください。

もうひとつ、前提として押さえたいことがあります。総務省の令和7年版情報通信白書によると、インターネット接続端末としてのスマートフォンの利用率は2024年で74.4%です(総務省「令和7年版 情報通信白書」インターネット接続端末)。原稿は、スマホの細い画面で読まれます。パソコンで「ちょうどいい」と感じた段落が、スマホでは10行を超えることもあります。書き終えたら、スマホの画面幅で読み返してください。

この章のポイント:結論から、短く、具体的に。そして読まれる場所はスマホの画面です。段落は3〜4行を目安にしてください。

10規模別・原稿づくりにかかる日数の目安

要点:原稿づくりは、10ページ規模で約3〜4週間、30ページ規模で約7〜9週間が目安です。書く時間より、社内の確認と修正に日数がかかります。全体の日程は制作の流れとあわせて逆算してください。

スケジュールを引く目安として、工程ごとの日数を規模別に並べました。通常業務と並行した場合の実日数です。

工程別・原稿づくりの所要日数(規模別)
原稿づくりの5工程の所要日数を、規模別に比較した表。
工程 10ページ規模 30ページ規模 60ページ超
読み手と方針を決める 2〜3日 4〜5日 7〜10日
素材と情報を集める 3〜5日 7〜10日 14〜20日
下書きを書く 5〜7日 12〜18日 25〜35日
社内で確認・決裁を取る 7〜10日 14〜21日 21〜30日
修正して確定させる 3〜5日 7〜10日 14〜18日
合計 約3〜4週間 約7〜9週間 約12〜16週間

出典:ZenWeb Japanの制作案件をもとにした整理(2026年)。通常業務と並行した場合の実日数です。

縦に見ると、書く時間と同じかそれ以上に、社内の確認へ日数が流れていると分かります。10ページ規模でも1〜2週間、30ページ規模なら3週間前後です。決裁の順番と締切を先に決めると、ここが一気に短くなります。誰に、いつまでに見てもらうか。契約直後に決めてください。

この章のポイント:いちばん長いのは書く時間ではなく、社内で回す時間です。決裁の順番と締切を最初に決めてください。

公開までの日程から逆算したい方へ

ZenWeb Japanは、原稿の締切を含めた進行表をお渡ししたうえで制作を進めます。ホームページ制作の進め方を見る →


11自社で書くか、ライティングを依頼するか

要点:判断の分かれ目は文章力ではなく、社内に時間があるかどうかです。自社で書くか外に出すかの考え方は、自作と外注の比較と同じ整理が使えます。事実の素材だけは、どちらを選んでも社内で用意します。

「うちの文章では下手ではないか」と気にされる方が多いのですが、判断すべきは文章力ではありません。書く時間を確保できるかどうかです。

比べる点 自社で書く ライティングを依頼する
費用 追加費用はかからない ページ単位で別途かかる
社内でかかる時間 長い(本文まで書く) 短い(取材に答える)
現場の言葉 そのまま反映しやすい 取材の深さ次第
公開後の更新 自分たちで直せる 都度の依頼になりやすい
向いている場面 担当者を置ける、10ページ前後 担当者が兼務、30ページ以上

折衷案もあります。会社概要とお問い合わせは自社で、サービス紹介と実績は依頼するという分け方です。事実を並べるページは社内で早く終わり、売上に直結するページだけ任せれば費用も抑えられます。

公開後に自分たちで更新する予定なら、更新のしやすさも相談してください。運用の考え方はホームページ公開後にやることにまとめています。

この章のポイント:判断基準は文章力ではなく時間です。全ページを一律にせず、ページごとに分けて考えてください。

12まとめ|原稿は決めたことを言葉にする作業

要点:ホームページの原稿は、うまく書く作業ではなく、決めたことを言葉にする作業です。読み手を決め、事実を出しきり、ページごとに分けて渡す。この三つができていれば、あとはホームページ制作を任せている会社が形にしてくれます。

最後に、要点を振り返ります。

  • 発注側が用意するのは事実の素材。文章に整えるのは制作会社の仕事にできます。
  • 公開が遅れる原因の4割超は原稿待ちです。契約したら真っ先に担当と締切を決めます。
  • ページごとにファイルを分けて渡すと、修正の往復が半分以下になります。
  • いちばん日数がかかるのは、書く時間ではなく社内で回す時間です。

白紙を前に固まるときは、営業でいつも話していることを箇条書きで10行だけ書き出してみてください。それがそのまま原稿の芯になります。


13よくある質問

要点:原稿づくりについて、発注側からよくいただく質問をまとめました。分量の目安や渡し方については、サイト構成図の作り方とあわせて確認していただくと、全体像がつかみやすくなります。

1. ホームページの原稿は誰が書くのですか?

事実の素材は発注側、文章に整えるのは制作会社という分け方がもっとも多いです。正式名称や料金、実績の数字は社内にしかない情報なので、発注側から出していただきます。言い回しまで自社で仕上げる必要はありません。

2. 原稿は箇条書きのままでも大丈夫ですか?

問題ありません。むしろ無理に文章化しないほうが早く進みます。伝えたいことを箇条書きで出しきり、大事な順に並べ替えて渡していただければ、制作側で整えられます。ただし数字と固有名詞だけは正確にお願いします。

3. 1ページあたり何文字くらい必要ですか?

ページによって変わります。トップページは400〜800字、会社概要は300〜600字、サービス紹介は800〜1,500字が目安です。文字数を埋めるより、必要な項目が入っているかを優先してください。

4. 原稿を渡すときのおすすめの形式はありますか?

ページごとにファイルを分け、見出し・本文・注釈が区別できる形にしてください。WordでもGoogleドキュメントでもかまいません。1ファイルにまとめたり、メール本文に追記したりすると、修正の往復が増えます。

5. 原稿の準備にはどのくらい期間を見ておくべきですか?

10ページ規模で約3〜4週間、30ページ規模で約7〜9週間が目安です。通常業務と並行した場合の実日数です。大半は社内の確認と決裁の時間なので、誰がいつまでに確認するかを先に決めると短縮できます。

原稿づくりから、一緒に進めませんか?

ZenWeb Japanは2000年創業・PNHグループのWeb制作会社です。ヒアリングで素材をお預かりし、原稿の整理からデザイン、公開までを一貫してお引き受けします。「日本品質を適正価格で」。無料相談で、御社に合った進め方と概算のお見積りをご案内します。

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