01はじめに|流れを知る目的は、自分の手番を知ること
要点: 制作の流れを調べる目的は、工程の名前を覚えることではありません。どの工程で自分が動くかを先に知り、その時期に社内の予定を空けておくことです。手番を外すと、待ち時間がそのまま公開の遅れになります。
「ホームページ制作の流れ」で検索すると、ヒアリング→企画→デザイン→コーディング→公開という図が並びます。どれも間違ってはいません。ただ、あれは制作会社側の作業の順番です。読み終えても「では、私はいつ何をすればいいのか」が残ったままではないでしょうか。
実務で見ていると、3か月の案件で発注側が手を動かすのは合計8営業日ぶんほどです。問題は、その8日が工程のなかの3か所に固まっていることにあります。そこで社内が動けないと、制作会社は次に進めません。待ち時間は取り返せません。
ホームページを持つこと自体は、もう当たり前です。総務省の令和6年通信利用動向調査報告書(企業編)によると、自社のホームページを開設している企業は93.2%です(対象は常用雇用者100人以上の企業)。それでも、はじめて発注する担当者には未知の作業が続きます。
この記事では、2000年創業のWeb制作会社ZenWeb Japanが、実際の案件の進み方を8ステップに分けて説明します。あわせて、各工程で発注側に回る手番と、そこが遅れたときに何日ぶん延びるかも示します。依頼前の準備は依頼前に準備すべき5つのこと、対応範囲はホームページ制作サービスでご覧いただけます。
まずは全体像を、動画でもざっと押さえておきましょう。
ホームページ制作の流れ!各フェーズで何をやるのかまで徹底解説!
出典動画:YouTube
02ホームページ制作の流れ|全8ステップ早見表
要点: ホームページ制作は8つのステップに分かれます。10ページ前後のコーポレートサイトなら、契約から公開まで約3か月です。内訳は決める工程に1か月、作る工程に1.5か月、確認と公開に0.5か月という配分です。
まず全体を一枚で見てください。工程ごとに誰が主で動くのか、発注側の手番の重さを並べています。工程は少しずつ重なるため、期間は単純合計より短く収まります。
| ステップ | やること | 期間の目安 | 主に動く側 | 発注側の手番 |
|---|---|---|---|---|
| 1. 相談・ヒアリング | 目的・予算・希望の共有 | 1〜2週間 | 両方 | 重い |
| 2. 提案・見積り・契約 | 構成案と金額の確定 | 1〜2週間 | 制作会社 | 中くらい |
| 3. 要件定義・サイト構成 | ページ一覧とワイヤーフレーム | 2〜3週間 | 制作会社 | 重い |
| 4. 原稿・素材の用意 | 文章・写真・ロゴの提出 | 2〜4週間 | 発注側 | いちばん重い |
| 5. デザイン制作 | トップページから順に作成 | 3〜4週間 | 制作会社 | 重い |
| 6. コーディング・実装 | HTML化とCMS組み込み | 3〜4週間 | 制作会社 | ほぼなし |
| 7. テスト・修正 | 表示確認・誤字チェック | 1〜2週間 | 両方 | 中くらい |
| 8. 公開・引き渡し | サーバー設定・操作説明 | 3日〜1週間 | 制作会社 | 中くらい |
出典:ZenWeb Japanの制作案件(10ページ前後のコーポレートサイト)の進行実績、2026年8月時点。
期間は規模で変わります。5ページ以下なら2か月弱、30ページ超やシステムを伴う場合は5〜6か月かかることもあります。金額の目安はホームページ制作の費用相場で規模別にまとめています。
自社の場合、どのくらいの期間になりますか。
ページ数と必要な機能をうかがえば、スケジュール案をお出しできます。 ホームページ制作の進め方を見る →
03ステップ1〜2|相談からヒアリング、見積りと契約まで
要点: 最初の1〜4週間は、目的と予算をすり合わせ、構成案と金額を確定する期間です。打ち合わせは2〜3回。ここで伝えた内容が見積りの前提になるため、あとから覆すと金額も期間も動きます。
問い合わせをすると、たいてい1〜3営業日で返信が来ます。そのあとが1回目の打ち合わせです。制作会社が聞きたいことは、次の4つに集約されます。
- 何のために作るのか。 問い合わせ、採用、作り直し。用途が違えば構成も費用も変わります。
- 予算の上限はいくらか。 「まだ決めていない」と答えると、見積りは広めの金額で出てきます。
- いつまでに公開したいのか。 展示会や決算期など、動かせない日付があるか。
- いまのサイトの何が不満か。 具体的な不満は、そのまま要件になります。
ここで詰まっても構いません。ただ、答えられる項目が多いほど見積りの精度は上がります。事前に決める内容は依頼前の準備5項目にまとめました。
2回目以降で、提案書と見積書が出ます。金額だけで決めないでください。見積書は前提条件のかたまりです。ページ数、原稿を誰が書くか、撮影が入るか、修正は何回まで可能か。この4つがない見積書は、あとで金額が動きます。読み方は見積書の見方で説明しています。
複数社を比べるなら、同じ条件を書いた1枚の依頼書を全社に渡してください。条件がそろわない見積書を並べても、高い安いの判断はできません。見極め方は制作会社の選び方で扱っています。
04ステップ3|サイト構成とワイヤーフレームを決める
要点: 契約後の2〜3週間で、ページ一覧(サイトマップ)と各ページの下書き(ワイヤーフレーム)を確定します。色も写真もない白黒の設計図です。この段階の修正はほぼ無料で、あとの工程より安く済みます。
ワイヤーフレームは、線と文字だけでページの中身を並べた図です。地味なので、つい流し読みしてしまいます。ここが最大の落とし穴です。この図が確定した時点で、ページ数も、載せる情報も、ボタンの位置も決まります。次の順で確認してください。
- ページの数と名前。 必要なページが抜けていないか。使わないページが増えていないか。
- 各ページに載る情報の量。 「実績を6件」と書かれていたら、6件ぶん用意できるか確かめます。
- 問い合わせまでの導線。 どのページからでも2クリック以内でフォームに着くか。
- スマホでの並び順。 パソコンで横に並ぶ要素は、スマホでは縦に積まれます。
標準的なページの組み合わせはコーポレートサイトに必要なページ構成で一覧にしています。自社に足りないページを探す用途でお使いください。
この工程が長引く原因は、たいてい社内の合意です。営業部と管理部で載せたい情報が違う場面はよくあります。打ち合わせに両方を呼べば、往復が1回で済みます。
05ステップ4〜5|原稿と素材の用意、そしてデザイン制作
要点: 原稿と写真の提出は、発注側の作業がいちばん重い工程です。ここが遅れると、デザインもコーディングも止まります。遅延の原因を数えると、半分以上がこの素材待ちです。
デザインは、原稿がそろってから本格化します。文章量が決まらないと、レイアウトも決まらないからです。仮の文字でも進められますが、後から原稿を流し込むと崩れて、結局やり直しになります。とくに時間がかかるのは次の3つです。
- サービス紹介の原稿。 各部門に書いてもらう形だと、集まるまで2週間はかかります。
- 社員や現場の写真。 撮影日の調整に2〜3週間。撮影自体は1日です。
- お客様の声・導入事例。 先方の掲載許可が要るため、いちばん長くかかります。
自社で書く時間がないなら、原稿作成も制作会社に依頼できます。取材をもとに書いてもらう形で、費用は1ページ2万〜5万円が目安です。時間を買うか費用を抑えるかの判断は、自作と外注の比較と同じ考え方になります。
デザインは、まずトップページが1〜2案出てきます。ここで方向性を決め、確定後に下層ページへ展開する流れです。確認のときは「なんとなく好き」ではなく、目的に照らして見てください。問い合わせを増やしたいサイトなら、電話番号とボタンが目立っているかが判断基準になります。
06ステップ6〜8|コーディング、テスト、そして公開
要点: デザイン確定後の3〜4週間はコーディングです。発注側の作業はほぼありません。そのあとのテストで再び手番が回ります。公開当日は、サーバー設定とドメイン切り替えを制作会社が行います。
コーディングは、デザインをブラウザで動く形に組み立てる作業です。同時に更新用のCMSを組み込みます。多くの案件でWordPressが使われます。自社で更新したい範囲は、この時点で伝えてください。あとから言うと作り直しになります。
テスト工程では、発注側にも確認をお願いします。見る場所は決まっています。
- 誤字と社名の表記。 制作会社は業界用語の正誤を判断できません。自社にしか確認できない箇所です。
- 問い合わせフォームの送信。 実際に送って、届く先のメールアドレスを確かめます。
- スマホでの表示。 全ページを自分のスマホで開きます。崩れはスマホ対応の不備として離脱につながります。
- 電話番号のリンク。 タップして、実際に発信画面が出るか。
読みやすさの基準を知りたい場合は、デジタル庁のウェブアクセシビリティ導入ガイドブックが参考になります。文字の大きさや色のコントラストなど、確認の観点が整理されています。
公開当日の作業自体は1〜2時間で終わります。サーバーへのアップロード、ドメインの向け先変更、SSLの設定、旧サイトからの転送設定です。金曜の夕方は避けましょう。何かあったときに対応できる平日の午前が向いています。
07工程別|発注側の作業時間はどれくらいか
要点: 3か月の案件で、発注側が使う時間は合計およそ60時間です。8営業日ぶんに当たります。その半分は原稿と素材の準備が占めます。残りは打ち合わせと確認作業です。
「どのくらい社内の手間がかかりますか」という質問はよく受けます。工程ごとに分解すると、次の配分になります。
| 工程 | 発注側の作業時間 | 作業の中身 |
|---|---|---|
| ヒアリング・要件のすり合わせ | 約8時間 | 打ち合わせ2〜3回と社内共有 |
| サイト構成の確認 | 約6時間 | ワイヤーフレームの確認と社内合意 |
| 原稿・素材の用意 | 約30時間 | 執筆・写真の収集・撮影の立ち会い |
| デザインの確認 | 約8時間 | 2〜3回の確認と修正依頼のとりまとめ |
| テスト・最終確認 | 約6時間 | 全ページの読み合わせとフォーム確認 |
| 公開・操作説明 | 約2時間 | 更新方法のレクチャー受講 |
出典:ZenWeb Japanの制作案件(10ページ前後・約3か月)の実績にもとづく目安、2026年8月時点。
合計およそ60時間、3か月で割れば1週間あたり5時間ほどです。片手間でも回せる量ではあります。ただし原稿の30時間は最初の1か月に集中します。この時期だけは担当者に余白を作ってください。
08修正が高くつく分岐点はどこか
要点: 同じ「1ページ増やしたい」でも、言う時期で費用が10倍以上変わります。構成の段階なら無料、コーディング後なら10万円以上です。工程が進むほど、やり直す作業が増えるためです。
制作の流れで、いちばん知っておく価値があるのがこの点です。工程には戻れる範囲があり、進むほど狭くなります。
| 修正を出す時期 | 追加費用の目安 | 延びる日数 | やり直しになる作業 |
|---|---|---|---|
| サイト構成の検討中 | 0円 | 0〜2日 | なし |
| デザイン確定前 | 0〜3万円 | 2〜5日 | ワイヤーフレームの作り直し |
| デザイン確定後・実装前 | 3万〜10万円 | 5〜10日 | デザインの追加制作 |
| コーディング完了後 | 10万〜30万円 | 2〜3週間 | デザイン・実装・テストの全部 |
| 公開後 | 15万円〜 | 別案件として調整 | 実装・テスト・再公開 |
出典:10ページ規模のコーポレートサイトに1ページ追加する場合を想定した、ZenWeb Japanのモデル試算、2026年8月時点。
同じ一言でも、構成段階なら0円、コーディング後なら10万円以上になります。
だから、確認に時間をかける価値があるのはワイヤーフレームの段階です。デザインが出てからのほうが判断しやすいのは確かですが、そこで方針を変えると費用が動きます。全体の費用感は費用相場の記事とあわせてご覧ください。
09週ごとの進み方|順調な場合と、遅れる場合
要点: 順調なら12週で公開できます。遅れる場合は同じ工程が16〜18週になります。差が生まれる場所は決まっていて、構成の確認待ちと原稿の提出待ちの2か所です。ここでの遅れは、あとの工程では取り戻せません。
契約からの週数で並べると、遅れがどこで生まれるかが見えてきます。
| 契約からの週 | 順調な場合の到達点 | 遅れる場合の到達点 |
|---|---|---|
| 1〜2週 | ヒアリング完了 | ヒアリング完了 |
| 3〜4週 | サイト構成が確定 | 構成の社内確認待ち |
| 5〜6週 | 原稿・素材が提出済み | 構成がようやく確定 |
| 7〜8週 | デザインが確定 | 原稿の提出は半分ほど |
| 9〜10週 | コーディングが完了 | デザイン1回目の確認 |
| 11〜12週 | テストを終えて公開 | コーディングに着手 |
| 13週以降 | 運用・更新へ | 公開は16〜18週ごろ |
出典:10ページ規模のコーポレートサイトを想定した、ZenWeb Japanのモデル試算、2026年8月時点。
差がつくのは前半です。3〜6週の2か所で生じた遅れが、そのまま最後まで持ち越されます。逆に言えば、最初の6週間さえ管理できれば公開日はほぼ守れます。作り直し案件がとくに遅れやすいのは、旧サイトの内容整理が加わるためです。詳しくはホームページリニューアルで扱っています。
公開したい日が決まっている場合は、逆算しましょう。
目標日から逆算した工程表をお作りし、社内でいつ動くかまでお伝えします。 制作の進め方を確認する →
10公開後にやること|流れはそこで終わらない
要点: 公開日は出発点です。当日にアクセス解析とサーチコンソールの登録を済ませ、その後は月1回の更新を続けます。検索からの流入が安定するのは公開から3〜6か月後です。
公開直後にやっておくと後が楽になる作業があります。制作会社が代行することも多いので、契約範囲を確認してください。
- Googleアナリティクスの設置。 訪問者数を測る仕組みです。あとから過去のデータは取れません。
- Google Search Consoleの登録。 検索での表示回数やエラーを見る道具です。
- 旧サイトからの転送設定の確認。 旧URLに来た人が新しいページに届くかどうか。
- 更新手順のメモ化。 教わった操作を、担当者以外も読める形で残します。
中小企業庁の2025年版 中小企業白書(第1-1-45図)では、DXを進めるうえでの問題点として、どの段階の事業者でも「DXを推進する人材が足りない」を挙げる割合が高くなっています。だからこそ、公開後の運用は「誰が・月に何回・何をするか」まで決める価値があります。決めないままだと更新が止まります。具体的な作業は公開後にやることで整理しています。
11まとめ|自分の手番を、先にカレンダーへ
要点: ホームページ制作の流れは8ステップ、期間は約3か月です。発注側の作業は合計60時間ほどで、多くが前半に集まります。この時期を先に空けることが、公開日を守る確実な方法です。
要点は3つです。
- 手番は3か所に集中する。 構成の確認、原稿と素材の提出、デザインの確認です。
- 言うなら早いほうが安い。 同じ要望でも、構成段階なら0円、コーディング後なら10万円以上です。
- 前半6週間で勝負が決まる。 後半で遅れを取り戻すことはできません。
流れが読めていれば、進行中の不安はかなり減ります。「いま何をしているか分からない」状態が続くと、確認も遅れがちになるからです。
ZenWeb Japanは2000年創業のWeb制作会社です。ホームページ制作のほかWebシステム開発にも対応しています。詳しくは会社概要をご覧ください。
12よくある質問
要点: ホームページ制作の流れについて、よく寄せられる質問をまとめました。期間の短縮、途中での変更、支払いのタイミングなど、迷いやすい点を中心に扱っています。
1. 制作期間を短くする方法はありますか?
あります。いちばん効くのは、契約前に原稿と写真をそろえておくことです。素材待ちがなくなると、3か月の案件が2か月弱まで縮みます。ページ数を減らして先に公開する方法もあります。
2. 途中でページを追加したくなったら、どうなりますか?
時期によります。サイト構成を決めている段階なら、追加費用なしで反映できることがほとんどです。デザイン確定後は3万〜10万円、コーディング後は10万円以上かかります。早めに伝えてください。
3. 支払いはいつ発生しますか?
契約時に着手金として半額、公開時に残額という分割が一般的です。着手時・デザイン確定時・公開時の3回に分ける会社もあります。契約書で必ず確認してください。
4. 打ち合わせはオンラインでもできますか?
できます。ヒアリングも確認も、オンラインで完結する案件は多くあります。対面が向いているのは撮影の立ち会いと初回の目的すり合わせです。初回だけ対面という進め方もあります。
公開までのスケジュールを、一緒に引きませんか。
2000年創業のZenWeb Japanが、ページ数とご希望の公開時期をうかがい、工程表とお見積りをお出しします。検討中の段階でもお気軽にどうぞ。
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