01はじめに|自作と外注で迷う、本当の理由
要点: 自作と外注で迷うのは、比べているものがそろっていないからです。自作の見積りには自分の時間が入っていません。外注の見積りには全部入っています。同じ土俵に乗せると、判断はずっと簡単になります。
「ホームページ 自作 外注」で調べると、メリットとデメリットを並べた表がたくさん出てきます。読み終えて残るのは、だいたい同じ結論です。予算があるなら外注、なければ自作。ただ、本当の意味で迷いが晴れたという方はほとんどいらっしゃらないのではないでしょうか。
理由はシンプルです。自作の費用として頭に浮かぶのは「ツール代の月3,000円」だけで、そこに自分の週末が何回入るかは計算に入っていません。一方、外注の見積りには原稿づくりもデザインも設定もすべて入っています。
中小企業庁の2025年版中小企業白書を見ると、デジタル化に取り組む中小企業が最も多く挙げた取組内容は「自社ホームページの作成・更新」でした。同時に、取組を進めるうえでの問題点としては「費用の負担が大きい」「人材が足りない」が上位に並びます。やることの筆頭でありながら、お金と人の両方で詰まりやすいのです。
この記事では、2000年創業のWeb制作会社ZenWeb Japanが、自作と外注を3年の総額と社内の作業時間でそろえて比べます。あわせて、どちらが向いているかを分ける3つの基準と、途中で切り替えたときにいくら増えるかもお伝えします。費用の全体像はホームページ制作の費用相場、対応範囲はホームページ制作サービスでご覧いただけます。
まずは全体像を、動画でもざっと押さえておきましょう。
【保存版】ホームページを自分で作成するには?業者依頼とのメリット・デメリット比較!
出典動画:YouTube
02自作と外注は何が違うのか|9項目の早見表
要点: 自作と外注の差がいちばん大きいのは、費用ではなく「自社が使う時間」と「集客の設計」です。初期費用は数万円と数十万円で開きますが、作業時間は10倍以上変わります。ここを見落とすと判断を誤ります。
9つの項目で並べてみます。自作はWixやJimdo、ペライチ、STUDIOといった作成ツールを自分で使う場合、外注は制作会社に依頼する場合です。10ページ前後のコーポレートサイトを想定しています。
| 比べる項目 | 自作(作成ツール) | 外注(制作会社) |
|---|---|---|
| 初期費用 | 0〜3万円 | 30万〜150万円 |
| 毎月の費用 | 1,000〜3,000円 | 5,000〜3万円 |
| 公開までの期間 | 1か月〜半年 | 2〜4か月 |
| 自社が使う時間 | 85〜165時間 | 8〜15時間 |
| デザインの自由度 | テンプレートの範囲内 | 目的に合わせて設計 |
| 集客・SEOの設計 | 自分で調べる | 構成の段階で組み込む |
| 公開後の更新 | すぐ直せる | 自社更新か依頼を選べる |
| 不具合が起きたとき | 自分で調べて直す | 連絡すれば対応される |
| 向いている段階 | 創業直後・まず置きたい | 問い合わせ・採用に使いたい |
出典:ZenWeb Japanの制作・メンテナンス案件の集計(日本国内、2024〜2026年)。
多くの方は初期費用の差に目が行きます。ただ、実務で差が出るのは4行目です。自作と外注では、自社が使う時間が10倍以上違います。ここが自作の本当の値段です。
03判断基準は3つ|予算より先に見るもの
要点: 自作か外注かは、3つの質問で決まります。サイトが1件いくらの仕事を運ぶのか、毎月何時間を使えるのか、止まったときに困るのか。この3つに答えると、予算を見る前に方向が決まります。
予算から入ると、たいてい判断を誤ります。先に見るべきものが3つあります。
- そのサイトが運ぶ仕事は、1件いくらか。 1件30万円の仕事が年に2件増えるなら、60万円の制作費は1年で回収できます。1件3,000円の物販なら、話はまったく変わります。
- 毎月、何時間をサイトに使えるか。 自作は作って終わりではありません。作り続ける仕事です。月に5時間も取れないなら、自作は途中で止まります。止まったサイトは、ないより印象が悪くなります。
- 止まったとき、誰がどれだけ困るか。 予約や問い合わせがサイト経由で入っているなら、半日の停止が売上に直結します。名刺代わりなら、数日止まっても実害はほとんどありません。
3つのうち2つ以上で「重い」と感じたなら、外注が向いています。逆に3つとも軽いなら、自作で始めて構いません。依頼前に準備すべき5つのことでも触れているとおり、目的が決まっていないまま見積りを取ると、比べる基準がないまま金額だけを見ることになります。
予算は「出せる金額」であって、「必要な金額」ではありません。先に決めるのは、サイトに背負わせる仕事のほうです。
うちの場合はどちらが向いていますか。
事業の内容と、いま使える社内の時間をうかがえば、自作でも足りるかどうかを率直にお答えします。ホームページ制作の対応範囲を見る →
043年でいくらかかるか|時間を入れて比べる
要点: ツール代だけで見ると、自作の3年総額は約11万円です。ただし初回の作業150時間を人件費に換算すると約61万円になります。外注の小規模プランが3年で約110万円ですから、差は10倍ではなく2倍弱まで縮みます。
3年で並べてみます。自作は月3,000円のツールとドメイン代、外注は制作費と月額メンテナンスを合算しました。時間の換算には時給3,300円を用いています。
| パターン | 3年総額 | 内訳のイメージ |
|---|---|---|
| 自作(ツール代のみ) | 約11万円 | ツール3,000円×36か月+ドメイン |
| 自作(作業時間を換算) | 約61万円 | 上記+初回150時間×3,300円 |
| 外注・小規模(5〜10ページ) | 約110万円 | 制作80万円+メンテナンス8,000円×36か月 |
| 外注・標準(10〜15ページ・CMS) | 約210万円 | 制作150万円+メンテナンス1.7万円×36か月 |
出典:ZenWeb Japanの見積り・メンテナンス実績をもとにしたモデル試算(日本国内、2026年時点)。
見ていただきたいのは、金額そのものより「差の縮み方」です。ツール代だけなら10分の1に見えた差が、時間を入れると2倍弱になります。さらに外注には、集客の設計と公開後の相談先が含まれます。
05自作に必要な作業時間の内訳|どこで止まるか
要点: 自作の作業時間は合計85〜165時間です。最も重いのは原稿づくりで30〜50時間かかります。ツールの操作は意外と短く、詰まるのは「何を書くか」を決める工程です。ここは外注しても自社の仕事として残ります。
「ツールが簡単だから自作できる」という説明をよく見かけます。半分は本当です。ただ、時間を食うのはツールの操作ではありません。工程で分けると、どこで止まるかがはっきりします。
| 工程 | 時間の目安 | つまずきやすい点 |
|---|---|---|
| ツールの選定・契約 | 5〜10時間 | 比較記事が多く決まらない |
| ページ構成を決める | 10〜20時間 | 同業他社の真似で止まる |
| 原稿を書く | 30〜50時間 | いちばん重い。多くがここで止まる |
| 写真・素材をそろえる | 10〜25時間 | 撮り直しが起きやすい |
| デザインを整える | 20〜40時間 | 細部が気になり終わらない |
| スマホ確認・公開設定 | 10〜20時間 | 表示崩れとフォーム不具合 |
| 合計 | 85〜165時間 | 週5時間なら4〜8か月 |
出典:ZenWeb Japanが自作サイトからの移行案件で確認した作業実績の集計(日本国内、2024〜2026年)。
いちばん重いのは「原稿を書く」工程です。ここは外注しても、材料を出すのは自社です。つまり外注しても消えない仕事があります。消えるのは構成の設計、デザイン、コーディング、公開設定です。外注で減るのは全体の8割ほど、と考えてください。
週5時間しか取れないと、合計85時間でも4か月以上かかります。本業が忙しい時期に重なれば、そのまま止まります。制作会社に依頼した場合の進み方はホームページ制作の流れにまとめています。
06自作が向いているケース|4つの条件
要点: 自作が向いているのは、サイトを「置いておく」用途で使う場合です。存在を証明できればよく、月に数時間の作業を続けられ、止まっても実害がない。この3つがそろえば、自作で十分です。
自作を否定する記事は多いのですが、実際には自作で足りる場面もあります。次の条件に多く当てはまるなら、まずは自分で作ってみてください。
- 用途が「存在の証明」である。 取引先や求職者に「会社が実在すること」を示すのが目的なら、ページ数も機能も最小限で足ります。
- 本業の合間に月5時間以上を確保できる。 続けられる時間があるかどうかが、自作の成否をいちばん左右します。
- 問い合わせの主導線が別にある。 紹介、電話、既存の取引が中心なら、サイトが止まっても売上は落ちません。
- まだ事業の形が固まっていない。 サービス内容が半年で変わる段階では、作り込むほど無駄が出ます。安く早く作って、決まってから作り直すほうが合理的です。
創業直後の会社には、自作をおすすめすることもあります。事業が固まる前に100万円をサイトへ使うより、営業や仕入れに回したほうが伸びる場面があるからです。
07外注したほうがいいケース|5つのサイン
要点: 外注に切り替える目安は、サイトが売上や採用に直結しはじめたときです。検索から問い合わせを取りたい、採用で見られている、決済や予約を扱う。このどれかに当てはまったら、自作の限界が近づいています。
次の5つのうち1つでも当てはまるなら、外注を検討する時期です。
- 検索から問い合わせを取りたい。 上位表示は、ページ構成と内部の作りに左右されます。テンプレートを埋めるだけでは届きません。
- 採用でサイトを見られている。 求職者は、企業サイトの見た目を判断材料にします。テンプレート感は、そのまま印象になります。
- 予約や決済など、止まると困る機能がある。 個人情報や入金を扱う以上、不具合時に相談できる先が必要です。
- 担当者が入れ替わる可能性がある。 作った本人しか触れないサイトは、その人が抜けた瞬間に更新できなくなります。
- 自作を始めて3か月、まだ公開できていない。 これは時間切れのサインです。止まった時間は戻りません。
特に5つ目はよく見ます。半年かけて8割まで作り、そこから動かなくなる。公開されないので、その半年はまるごと消えます。格安ホームページ制作の落とし穴でも触れているとおり、安さだけで選んでも同じ止まり方をします。
自作の途中で止まっている方も、ご相談ください。
いまある内容をそのまま活かせるか、作り直したほうが早いかを見たうえでお見積りします。制作の進め方と対応範囲を確認する →
08自作でつまずく4つのパターン
要点: 自作の失敗は、技術ではなく段取りで起きます。原稿で止まる、デザインに凝りすぎる、スマホ表示を後回しにする、公開後に放置する。この4つがほとんどを占めます。いずれも事前に防げます。
自作からの移行相談を受けていると、止まり方には型があります。
- 原稿が書けずに止まる。 会社概要までは進むのに、サービス紹介で手が止まります。誰に向けて書くかが決まっていないことが原因です。
- デザインに凝りすぎて終わらない。 余白や色を延々と調整してしまう。公開日を先に決めておかないと、この沼は抜けられません。
- スマホ表示を後回しにする。 パソコンで整えてから確認すると、崩れが大量に出ます。いまは閲覧の多くがスマホです。作りながら都度確認してください。
- 公開後に放置する。 最終更新が3年前のサイトは、閉業を疑われます。作ることより、続けることのほうが難しいのです。
WordPressで自作する場合は、これに加えて更新とセキュリティの管理も必要です。制作会社が使う本格的なCMSであり、無料で始められる代わりに管理の手間は自分で背負います。対応範囲はWordPress制作・保守でご確認いただけます。
09自作から外注に切り替えると、いくら増えるか
要点: 切り替えは早いほど安く済みます。3か月以内なら追加費用はほぼ発生しません。2〜3年たつと、URLの移行と検索順位の引き継ぎが必要になり、10万〜30万円が上乗せされます。迷っている期間そのものが費用になります。
「とりあえず自作で始めて、うまくいったら外注する」という進め方は理にかなっています。ただし、切り替える時期で追加費用が変わります。
| 自作を続けた期間 | 追加で必要な作業 | 追加費用の目安 | 引き継げるもの |
|---|---|---|---|
| 3か月以内 | ほぼなし | 0円 | 原稿・写真・ドメイン |
| 半年〜1年 | 原稿の整理・構成の組み直し | 5万〜15万円 | 写真・ドメイン |
| 2〜3年 | URL移行・検索順位の引き継ぎ | 10万〜30万円 | ドメインの評価・一部の原稿 |
| 4年以上 | 全面的な作り直し | 20万〜50万円 | ドメインのみ |
出典:ZenWeb Japanが受託した自作サイトからの移行案件をもとにしたモデル試算(日本国内、2024〜2026年)。
3か月以内なら、書いた原稿も撮った写真もそのまま活かせます。困るのは2年以上たってからで、既存のURLに検索からの流入があると、引っ越しの作業が別途必要になります。「もう少し様子を見よう」と迷っている期間は、将来の費用として積み上がります。
10第3の選択肢|作るのは外注、更新は自社
要点: 自作か外注かの二択で考える必要はありません。土台を制作会社に作ってもらい、公開後の更新を自社で行う進め方があります。重い工程だけを外注し、軽い作業は手元に残す形です。
実際にいちばん多いのはこの折衷案です。分担は次のようになります。
- 制作会社が担当する。 ページ構成の設計、デザイン、コーディング、CMSの組み込み、公開設定。専門知識が要る工程です。
- 自社が担当する。 お知らせの投稿、実績の追加、料金や社員紹介の書き換え。管理画面から文字を打つ作業です。
この形なら、月額のメンテナンス費用を抑えながら更新の速さも保てます。お知らせを1本出すたびに依頼して数日待つ、ということもなくなります。
ただし条件があります。引き渡し時に、更新のやり方を教わっておくこと。ここを省くと、結局だれも触らないサイトになります。契約前に「公開後の操作説明はありますか」と聞いてください。制作会社の選び方でも確認項目に挙げています。
更新は自社でやりたい、という前提でも構いません。
公開後にご自身で触れる形で構築し、操作の説明までお渡しします。自社更新できるWordPress制作を見る →
11まとめ|サイトに背負わせる仕事で決める
要点: 自作と外注の判断は、サイトに何をさせたいかで決まります。置いておくだけなら自作、仕事を運ばせるなら外注です。迷っている期間そのものが費用になるため、早めに方向だけでも決めてください。
最後に整理します。予算を見る前に、次の順番で考えてください。
- そのサイトが運ぶ仕事は、1件いくらか。
- 毎月、何時間をサイトに使えるか。
- 止まったとき、誰がどれだけ困るか。
- 3年の総額に、自分の時間を入れて比べる。
それでも迷うなら、土台だけ外注する形をおすすめします。避けたいのは、決めきれないまま半年が過ぎることです。作りかけのサイトは、誰の目にも触れません。
12よくある質問
1. 自作したサイトでも、検索で上位に出ますか?
出ることはあります。ただし、地域名とサービス名を組み合わせた検索など、競合が少ない範囲に限られます。同業が多い領域では、ページ構成と内容の設計が必要になり、テンプレートを埋めるだけでは届きません。まずは自作で試し、順位が伸びない段階で相談する進め方もあります。
2. AIでホームページを作れば、自作はもっと簡単になりますか?
下書きづくりは確実に速くなりました。ただ、速くなるのは文章と画面の生成までです。誰に向けて何を伝えるかを決める工程と、公開後に更新し続ける工程は残ります。自作で止まるのはこの2つですから、作業時間は減っても、止まりやすさ自体はあまり変わりません。
3. 自作したサイトのデータは、制作会社に引き継げますか?
原稿と写真は引き継げます。ドメインも移せます。ただし、作成ツールで組んだデザインやページそのものは、別の環境へそのまま移せないことがほとんどです。引き継げるのは中身であって、器ではないとお考えください。
4. 予算30万円なら、自作と外注のどちらがいいですか?
ページ数を絞れば外注できる金額です。10ページを30万円で作ろうとすると内容が薄くなりますが、5ページに絞れば十分な質を保てます。30万円は、自作の作業時間90時間ぶんにあたる金額でもあります。ページ数を減らして外注するほうが、早く公開できることも多いです。
5. 途中まで自作したものを見てもらうことはできますか?
できます。作りかけの状態でご相談いただくほうが、原稿も写真も無駄になりません。全部作り直す必要があるのか、足りない部分だけ補えばよいのかを見たうえで、お見積りをお出しします。
自作か外注か、いちど一緒に整理しませんか。
2000年創業のZenWeb Japanが、事業の内容と社内で使える時間をうかがい、自作でも足りるかどうかを率直にお伝えします。作りかけのサイトのご相談も歓迎です。
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