01はじめに|ページ構成は「誰が確認しに来るか」から決まる
要点: ページ構成を「載せたい情報」から考えると、社内の要望が全部乗って20ページを超えます。「誰が何を確認しに来るか」から考えると、公開時点で本当に要るページは7つ前後に収まります。
サイトを作り直そうという話になると、たいてい最初に出てくるのは「何を載せるか」です。会社の想い、代表の挨拶、社員インタビュー、技術のこだわり。会議を1回やるだけで、候補は20項目を超えます。
ところが、その順番で決めると必ず膨らみます。載せたい情報は社内から出てきますが、要るかどうかを決めるのは社外の人だからです。
総務省の令和6年通信利用動向調査(企業編)では、自社のホームページを開設している企業の割合は93.2%でした。もう「あるかないか」で差がつく時代ではありません。差がつくのは、探しに来た人が5秒で目当てのページにたどり着けるかどうかです。
この記事では、2000年創業のWeb制作会社ZenWeb Japanが、訪問者から逆算してページ構成を決める手順をお伝えします。金額の目安はホームページ制作の費用相場、対応範囲はホームページ制作サービスでご覧いただけます。
ページの設計図をどう描くのか、動画でも押さえておきましょう。
【Web基礎⑤】ワイヤーフレーム 〜ページの設計図を描こう〜
出典動画:YouTube
02コーポレートサイトを見に来る4種類の人
要点: コーポレートサイトの訪問者は、見込み客、取引前に会社を調べる担当者、求職者、既存のお客様の4種類です。それぞれ見たいページが違うので、この4人分をそろえれば構成の骨格は決まります。
「ターゲットを決めましょう」とよく言われますが、コーポレートサイトの場合、絞りすぎるとかえって困ります。会社の顔として、性格の違う人が同じ入口から入ってくるからです。
- 見込み客。 何をしている会社か、自社の困りごとを頼めるかを見ます。滞在時間は短く、サービスページで判断します。
- 取引前に調べる担当者。 新規の取引先として問題ないかを確認します。設立年、資本金、所在地、取引銀行を順に探します。
- 求職者。 求人サイトを見たあとで社名を検索してきます。実際の仕事の中身と、働いている人の様子を探します。
- 既存のお客様。 電話番号、担当部署、営業時間を確認しに来ます。ほとんどが数十秒で離脱します。
この4人が探すものを並べると、必要なページはおのずと出てきます。逆に、4人のどれにも当てはまらないページは、公開時点では要りません。
なお、1つの商品や1つのキャンペーンだけを売りたい場合、器はコーポレートサイトではありません。使い分けはランディングページとホームページの違いで整理しています。
03必須7ページ|役割と、なければ起きること
要点: 公開時点でそろえたいのは7ページです。トップ、事業・サービス案内、会社概要、実績・事例、よくある質問、お問い合わせ、プライバシーポリシー。この7つで、4種類の訪問者の用は足ります。
下の表は、7ページそれぞれの役割と、用意しなかったときに実際に起きることをまとめたものです。「あったほうがいい」ではなく「ないと何が起きるか」で並べています。
| ページ | 主に見る人 | 最低限入れる要素 | ないと起きやすいこと |
|---|---|---|---|
| トップ | 全員 | 事業の一言説明、主要4ページへの導線、連絡先 | 何の会社か伝わらず、数秒で離脱される |
| 事業・サービス案内 | 見込み客 | サービス名、対応範囲、進め方、対応できない範囲 | 見当違いの問い合わせが増え、対応工数が増える |
| 会社概要 | 取引前に調べる担当者 | 商号、設立年、資本金、代表者、所在地、事業内容 | 新規取引の審査で追加資料を求められる |
| 実績・事例 | 見込み客 | 業種、依頼内容、対応した範囲(社名は許諾が要る) | 価格だけで比べられ、金額の話から始まる |
| よくある質問 | 見込み客・既存客 | 実際に電話で受けた質問を5〜10件 | 同じ質問の電話が毎週かかってくる |
| お問い合わせ | 全員 | フォーム、電話番号、受付時間、返信の目安 | 連絡手段が分からず、そのまま他社へ移る |
| プライバシーポリシー | 取引前に調べる担当者 | 取得する情報、利用目的、問い合わせ窓口 | 個人情報保護法の観点で指摘を受けやすくなる |
出典:ZenWeb Japanが相談で確認した構成の整理(日本国内、2024〜2026年)。
7ページのうち、社内で分担しやすいのは「よくある質問」です。電話を受けている人がメモを5件出すだけで、原稿はほぼ完成します。原稿の担当をどう分けるかは見積書の見方にも直結します。
04ページ別|最低限そろえるコンテンツ一覧
要点: 1ページに入れる中身は、文章量ではなく要素の数で決めます。トップは5要素、サービスは4要素、会社概要は8項目。この数を先に決めると、原稿づくりが止まりません。
原稿が止まる理由の多くは「何文字書けばいいか分からない」ことです。文字数ではなく、入れる要素を先に決めてしまいましょう。
- トップページは5要素。 事業の一言説明、主要ページへの導線、実績の抜粋、お知らせ、連絡先。装飾より、この5つがそろっているかが先です。
- サービスページは4要素。 何ができるか、どう進めるか、どこまで対応するか、次にどうすればいいか。対応できない範囲を書くと、問い合わせの質が上がります。
- 実績ページは3要素。 業種、依頼内容、対応範囲。社名や写真の掲載は、必ず先方の許諾を取ってからにします。
- お問い合わせページは4要素。 入力項目、電話番号、受付時間、返信までの目安。項目は5〜7個に抑えるほど送信されやすくなります。
この要素表は、そのまま制作会社への説明資料になります。事前に用意しておく資料は依頼前に準備すべき5つのことにまとめました。
ページごとの目的が1つに絞れないときは、ページを分けたほうが早いことがほとんどです。1ページで説得しきる作りが向くのは、ランディングページのほうです。
何ページ必要か、決めきれないままですか。
現在のサイトと事業内容をお聞きすれば、公開時点で要るページを一緒に絞り込めます。ホームページ制作の対応範囲を見る →
05公開時に作るページ、あとから足すページ
要点: 代表挨拶、社員紹介、ブログ、採用は、あとから足せるページです。公開を待たせる原因になりやすいので、原稿が用意できていないなら外して先に公開したほうが早く動き出します。
相談を受けるなかで多いのが「代表の挨拶文がまだ」「社員の写真が撮れていない」という理由で、公開が3か月遅れているケースです。下の表は、ページ種別ごとに公開時点から用意されていた割合です。
| ページ種別 | 公開時点で用意されていた割合 |
|---|---|
| 会社概要 | 100% |
| 事業・サービス案内 | 98% |
| お問い合わせ | 97% |
| 実績・事例 | 62% |
| お知らせ・ニュース | 55% |
| 代表挨拶 | 46% |
| よくある質問 | 41% |
| 採用情報 | 34% |
| 社員紹介・ブログ | 29% |
出典:ZenWeb Japanが相談で確認した公開時の構成(日本国内、2024〜2026年)。
注目したいのは「よくある質問」です。必須の7ページに入るのに、公開時点で用意していたのは4割ほどでした。電話のメモを写すだけで作れるページなので、ここは公開前に片づけておくとあとが楽になります。
公開後にページを足す流れは、公開後の運用・更新の基本で扱っています。足せる仕組みにしておくかどうかは、発注時の相談事項です。
06会社概要ページは、確認される順に並べる
要点: 会社概要は、企業理念からではなく事実から書きます。取引前に調べる担当者が探すのは、商号、設立年、資本金、所在地、代表者、従業員数、事業内容、取引銀行の8項目です。
会社概要ページを開いた人の多くは、読みに来ているのではなく、確認しに来ています。理念や沿革が先頭にあると、目当ての表までスクロールが必要になります。
表を上に置き、理念や沿革はその下へ。順番を入れ替えるだけで、審査の担当者からの追加確認が減ります。当社の会社概要も、この並びにしています。
載せる8項目のうち、迷いやすいのは資本金と従業員数です。小さいから隠したくなりますが、書かれていないほうが不安を招きます。設立から日が浅いなら、その代わりに実績や取引先の業種を並べておけば十分に補えます。
07採用ページは、今年求人を出すかどうかで決める
要点: 採用ページが要るのは、今年中に求人を出す予定がある会社です。予定がないのに作ると、古い募集要項が残り続け、かえって印象を悪くします。
「採用ページは必須」とよく書かれていますが、実際には出番のある年とない年があります。判断の分かれ目は、募集要項を更新できる担当者が社内にいるかどうかです。
2年前の給与額と「現在1名募集中」が並んだままのページは、求職者にとって放置の証拠になります。更新できないなら、会社概要の中に働く環境を数行入れておくほうが誠実です。
求人を出す年が来たら、そのときに1ページ足せば済みます。追加のしやすさは公開前の作り方で決まるので、制作の流れのなかで、ページを増やす手順を確認しておきましょう。
08ページ数と初期費用は、どこまで連動するか
要点: ページ数は見積金額に直接効きます。ただし1ページあたりの単価は、ページ数が増えてもあまり下がりません。5ページ増やす判断は、金額でいえば40万円前後の判断になります。
ページ構成を決める前に見積りを取ると、金額がぶれます。逆に、ページ数を先に確定させてから見積りを依頼すると、各社の金額がそろい、比べられる状態になります。
| 規模 | ページ数の目安 | 初期費用の目安(税別) | 増えやすい項目 |
|---|---|---|---|
| 小規模 | 5〜9ページ | 40万〜80万円 | 写真撮影、原稿執筆 |
| 中規模 | 10〜19ページ | 80万〜160万円 | 事例の一覧機能、更新できる仕組み |
| 大規模 | 20〜39ページ | 160万〜350万円 | 多言語対応、検索機能、複数フォーム |
| 1ページ換算 | — | おおむね8万〜9万円 | ページを増やしても単価は下がりにくい |
出典:ZenWeb Japanが相談で確認した見積内容の整理(日本国内、2024〜2026年)。
数字の幅は規模別の費用相場と同じ考え方で見ています。「あと5ページ足しましょうか」という会話は、40万円前後を足す会話だと思って聞いてください。
各社の見積書を並べるときは、ページ数の前提がそろっているかを最初に見ます。読み方は見積書の見方で手順にしています。
いまのサイト、ページが多すぎませんか。
見られていないページを整理するだけで、作り直しの費用は下がります。リニューアルの進め方を見る →
09階層の深さより、トップからの導線の本数で見る
要点: 「階層は2階層まで」とよく言われますが、実際に効果的なのはトップに置く導線の本数です。7本を超えると、どこを押せばいいか分からなくなります。
階層を浅くしようとして、トップにボタンを20個並べたサイトを見かけます。これは深い階層より迷います。押す前に読む文字が増えるからです。
目安として、トップに置く主要な導線は5〜7本にとどめます。残りはその下にぶら下げれば、3階層になっても迷いません。導線の数を絞るほうが、階層の数を1つ減らすより効きます。
あわせて見ておきたいのが、見やすさそのものです。前出の令和6年通信利用動向調査(企業編)には、ウェブアクセシビリティの規格であるJIS X 8341-3:2016についての設問があります。「この規格およびアクセシビリティとは何かを知らなかった」と答えた企業は51.5%でした。文字の大きさ、色のコントラスト、スマートフォンでの押しやすさは、ページを1枚足すより先に見直す価値があります。
制作会社を選ぶ段階で、この観点に触れてくるかどうかも判断材料になります。見分け方は制作会社の選び方にまとめました。
10公開1年目に、実際に足されたページ
要点: 公開から1年で、ページは平均4枚ほど増えます。増えるのは事例とよくある質問で、公開前に悩みがちな代表挨拶や社員紹介は、そのまま作られないことも多いです。
公開後にどのページが足されたのかを、経過月ごとに並べました。最初から全部作る必要がなかったことが、数字にも表れています。
| 経過月 | 追加ページ数(平均・累計) | もっとも多かった追加ページ |
|---|---|---|
| 3か月 | 1.2ページ | よくある質問 |
| 6か月 | 2.4ページ | 実績・事例 |
| 9か月 | 3.3ページ | 実績・事例 |
| 12か月 | 4.1ページ | 採用情報 |
出典:ZenWeb Japanが公開後1年を追った運用データ(日本国内、2024〜2026年)。
増えたページの中身を見ると、公開後に問い合わせを受けて初めて「これも書いておこう」と気づいたものがほとんどでした。公開前の会議室で全部そろえようとするより、この順番のほうが結果的に早く整います。
足していく前提なら、更新できる仕組みを入れておくかが分かれ目です。運用の始め方は公開後にやることで扱っています。
11まとめ|ページ構成はA4三枚で決まる
要点: 訪問者の表、必須7ページの表、あとから足すページの表。この3枚を書けば、ページ構成の議論は1回の会議で終わります。あとは制作会社に渡すだけです。
手を動かす順番でまとめます。
- 1枚目|訪問者を4人書く。 見込み客、取引前に調べる担当者、求職者、既存のお客様。それぞれが探すものを1行ずつ添えます。
- 2枚目|必須の7ページを並べる。 各ページに入れる要素を箇条書きにします。文字数は書きません。
- 3枚目|あとから足すページを分ける。 原稿の担当者と、いつ出せるかを書きます。出せる日が決まらないものは、公開後にまわします。
この3枚があれば、見積りの前提がそろい、金額が比べられる状態になります。ページ数が確定していれば、後から「思っていたのと違う」が起きにくくなります。
次に読むなら、ページの目的別に器を選び分けるランディングページとホームページの違いが実務に直結します。対応範囲はホームページ制作サービスをご覧ください。
12よくある質問
1. コーポレートサイトは最低何ページあればいいですか?
7ページです。トップ、事業・サービス案内、会社概要、実績・事例、よくある質問、お問い合わせ、プライバシーポリシー。この7つで、見込み客も取引先の担当者も必要な情報にたどり着けます。事業が複数あるなら、サービスページを事業の数だけ増やしてください。
2. 代表挨拶や社員紹介は載せなくても大丈夫ですか?
公開時点では外してかまいません。実際、代表挨拶を公開時から用意していた会社は半数以下でした。原稿が出るのを待って公開が3か月遅れるくらいなら、先に公開して、書けたときに足すほうが得です。
3. ページ数を増やすと、見積金額はどのくらい上がりますか?
1ページあたりおおむね8万〜9万円が目安です。ページ数が増えても単価はあまり下がりません。詳しい内訳は費用相場と見積書の見方で確認できます。
4. 商品を売るページも同じサイトに入れられますか?
数点なら同じサイトで扱えますが、在庫管理や決済が必要なら別の作りになります。カートや会員管理が要る場合はECサイト制作の範囲です。まずは扱う商品点数と、注文をどう受けるかを整理してみてください。
5. 既存サイトのページを減らしても問題ありませんか?
アクセスがほとんどないページなら減らして差し支えありません。ただし、外部からリンクされているページを消すと、その流入が失われます。減らす前に、どのページに人が来ているかを確認し、消すページは転送設定をしておきましょう。
ページ構成の相談から、お受けしています。
2000年創業のZenWeb Japanが、事業内容とお客様の探しものをうかがって、公開時点で必要なページと、あとから足せるページを一緒に切り分けます。まだ発注先が決まっていない段階でも構いません。
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