リニューアル

ホームページを自社で更新できるようにする方法

最終更新日:2026年9月7日 著者・監修:小木 將綱(株式会社PNH 代表取締役社長)
ホームページを自社で更新できるようにする方法
結論:ホームページを自社更新できるようにするには、CMSを入れるだけでは足りません。更新する箇所を決め、担当者と権限を決め、操作研修とマニュアルまでを制作の工程に組み込む必要があります。この3つがそろっている会社は、公開1年後も更新が続いています。反対に、管理画面のIDだけ渡された会社は、半年で更新が止まります。

01はじめに|この記事でわかること

要点:この記事は、ホームページの更新を自社でできるようにしたい経営者・Web担当者の方に向けたものです。2000年創業のWeb制作会社ZenWeb Japanが、引き渡し後の更新記録をもとに、続く体制の作り方をまとめました。

「お知らせを1行直すだけで、毎回制作会社に連絡するのが面倒で」。ご相談のなかで、いちばんよく出てくる言葉です。

そこでCMSを入れて、管理画面のIDをお渡しします。ところが半年後にサイトを見ると、お知らせの最終更新日が公開日のまま止まっている。こういうケースが、実はかなりの割合であります。

原因は、担当者のやる気でも、CMSの使いにくさでもありません。「更新できる状態」を作っただけで、「更新が続く状態」を作っていなかったからです。この2つは似ているようで、必要な準備がまったく違います。

そこでこの記事では、次の3つをお伝えします。

  • 自社で触れる範囲の決め方。更新箇所ごとに、自社更新にすべきか外注に残すべきかを整理します。
  • 引き渡し方で変わる継続率。1年後も更新が続いている会社が何をしていたのかを数字で見ていきます。
  • 制作中に決めておくこと。公開後に追加すると割高になる準備を、順番に挙げていきます。
この章のポイント:自社更新のゴールは「触れるようになること」ではなく「1年後も更新が続いていること」です。準備の中身がまったく変わります。

本題に入る前に、CMSの管理画面でどんな作業をするのかがつかめる動画をご紹介します。

WordPressの使い方!初心者向け23分で基本をおさえる

出典動画:「WordPressの使い方!初心者向け23分で基本をおさえる」(ふる/YouTube)


05引き渡し方法別|1年後も更新が続いている割合

要点:公開1年後も更新が続いていた割合は、口頭説明だけの場合で24%、操作研修を1回行った場合で68%、研修に加えて公開後1か月の伴走をつけた場合で89%でした。差を作るのは、CMSの種類ではなく引き渡し方です。

ここが、この記事でいちばんお伝えしたい数字です。同じCMS、同じ更新範囲でも、引き渡しの方法だけで結果がここまで変わります。

引き渡し方法別|公開1年後の更新継続率
ホームページ公開時の引き渡し方法ごとに、公開1年後も更新が続いていた割合と最終更新までの平均月数を比較した表
引き渡し方法 1年後の更新継続率 更新が止まるまでの平均
IDを渡して口頭で説明のみ
24%
4.2か月
マニュアルを渡すだけ
41%
7.5か月
操作研修を1回実施
68%
継続が多数
研修+公開後1か月の伴走
89%
継続が大多数

出典:ZenWeb Japanが引き渡した会社サイトの更新記録を集計(日本国内、2021〜2026年上半期)。更新継続の定義は、公開12か月後の時点で直近3か月以内に更新があることとしています。

口頭説明だけの場合、更新が止まるまで平均4.2か月でした。ちょうど、最初に覚えた手順を忘れるころです。担当者の記憶だけに頼ると、この時期を越えられません。

研修を1回入れるだけで、継続率は24%から68%まで上がります。時間にすれば2時間ほどの差です。リニューアルの工程表を作るときは、この2時間を必ず組み込んでおいてください。

この章のポイント:更新が続くかどうかは、引き渡し方でほぼ決まります。操作研修を工程表に入れておくだけで、継続率は大きく変わります。

06自社更新を実現する5つの準備

要点:自社更新の準備は、公開後ではなく制作中に進めます。更新範囲を決め、担当者を決め、権限を分け、ひな形を作り、研修を受ける。この5つを工程に入れておけば、追加費用をかけずに体制が整います。

順番が大切です。あとから足すと、そのたびに費用が発生します。次の順で進めてください。

  1. 更新する箇所を書き出す。設計の段階で、月1回以上さわる箇所を一覧にします。ワイヤーフレームを確認するタイミングが、いちばん決めやすい時期です。
  2. 担当者を名前で決める。「広報部」ではなく個人名にします。あわせて、その人が不在のときの代わりも1人決めておきます。
  3. 権限を分ける。記事を書く人、公開を承認する人、システム全体を管理する人。この3つは別の権限にします。
  4. ひな形を用意してもらう。お知らせと実績は、入力項目が固定されたひな形を作ってもらいます。自由入力にすると崩れます。
  5. 公開前に操作研修を受ける。公開後ではなく、テスト環境がある公開前に行います。失敗しても実害がないからです。

5つのうち、見落とされやすいのは3つ目の権限です。全員に管理者権限を渡している会社は少なくありませんが、これは事故のもとになります。詳しくは第8章で説明します。

なお、この5つはリニューアルの目的を決める段階で話し合っておくと、見積りにも反映されます。公開直前に持ち出すと、追加見積りになりがちです。

この章のポイント:5つの準備はすべて制作中に行うものです。公開後に追加すると、費用も手間も増えます。

07年間更新回数別|自社更新と外注の費用比較

要点:更新が年6回程度なら、外注のままでも年3〜6万円ほどです。年36回を超えると外注費は年18万円以上になり、自社更新の効果がはっきり出ます。境目は、おおよそ月2回以上さわるかどうかです。

費用の話を整理します。次の表は、1回あたり5,000〜1万円の更新作業費で試算したものです。実際の金額は契約内容で変わりますので、目安としてご覧ください。

年間更新回数別|外注費用と社内作業時間の試算
年間の更新回数ごとに、外注した場合の年間費用、自社更新にした場合の社内作業時間、判断の目安を比較した試算表
年間の更新回数 外注した場合の年間費用 自社更新の社内作業時間 判断の目安
6回まで(隔月) 3〜6万円 年3〜5時間 外注のままで負担は小さい
12〜24回(月1〜2回) 6〜18万円 年8〜15時間 自社更新の効果が出はじめる
36〜60回(週1回前後) 18〜45万円 年25〜40時間 自社更新にする価値が大きい
100回以上(ほぼ毎営業日) 50万円以上 年70時間以上 自社更新が前提になる

出典:ZenWeb Japanの更新代行の実績をもとにした試算(日本国内、2026年時点、1回あたり5,000〜1万円で計算)。金額は契約内容により変わります。

ここで見ていただきたいのは、右から2列目の社内作業時間です。年36回のケースで年25〜40時間。月にならすと2〜3時間です。この時間を社内で確保できるかどうかが、実際の判断材料になります。

逆にいえば、更新が年6回で止まっている会社は、自社更新にしても費用はほとんど変わりません。それより、保守費用の内訳を見直すほうが効きます。

この章のポイント:境目は月2回です。それ以上さわるなら自社更新、それ以下なら外注のままのほうが、社内の時間を含めて安く済みます。

08更新が止まる本当の理由|属人化と権限の設計

要点:更新が止まる原因の多くは、担当者が1人しかいないことと、権限が分かれていないことです。1人に集中すると異動で止まり、全員が管理者だと誰も責任を持たなくなります。2人体制と3段階の権限で防げます。

更新が止まった会社にうかがうと、決まって同じ話が出てきます。「前任者しか触っていなくて、引き継ぎがないまま異動しました」。

ここで効くのが権限の設計です。WordPressをはじめ、多くのCMSには複数の権限が用意されています。それを使い分けるだけで、属人化はかなり防げます。

  • 投稿者(記事を書く人)。下書きまでを担当します。公開はできません。2人以上に割り当てておきます。
  • 編集者(公開を承認する人)。内容を確認して公開します。上長やWeb担当がここに入ります。
  • 管理者(システムを管理する人)。プラグインやテーマを扱えます。制作会社と社内の責任者だけに限定します。

全員を管理者にしてしまうと、誰でもプラグインを止められる状態になります。自作で挫折する典型パターンの多くも、ここから始まります。操作を覚える前に権限を絞る。順番はこちらが先です。

更新の担当者は、最初から2人にしておいてください。1人体制は、異動や退職の時点で必ず止まります。
この章のポイント:担当は2人、権限は3段階。この2つを最初に決めておけば、担当者が代わっても更新は止まりません。

いまのサイト、権限は分かれていますか?

管理画面の設定を拝見すれば、危ない箇所と直し方をその場でお伝えできます。 WordPress保守の内容を見る →


09公開からの経過月別|更新頻度の推移

要点:研修なしの会社は、公開1か月目に月3.1回あった更新が、6か月目には0.9回まで落ちます。研修ありの会社は12か月目でも月2.5回を保っていました。落ち込みが起きるのは3〜6か月目です。

更新は、ある日いきなり止まるわけではありません。少しずつ回数が減って、気づいたときには止まっています。その落ち方を月ごとに追ったのが次の表です。

公開からの経過月別|1か月あたりの平均更新回数
ホームページ公開からの経過月ごとに、操作研修なしの会社と研修ありの会社の1か月あたり平均更新回数を比較した時系列の表
公開からの経過 研修なし(回/月) 研修あり(回/月)
1か月目 3.1 3.6
3か月目 1.8 3.2
6か月目 0.9 2.8
12か月目 0.4 2.5
24か月目 0.2 2.1

出典:ZenWeb Japanが引き渡した会社サイトの更新ログを集計(日本国内、2021〜2026年上半期)。お知らせ・ブログ・実績の投稿と編集を更新回数として数えています。

注目していただきたいのは3か月目です。研修なしの列は、この時点ですでに半分近くまで落ちています。最初の勢いが切れて、手順もあいまいになる時期だからです。

ここを越えるために効果的なのが、公開後1か月の伴走です。わからないことをその場で聞ける相手がいる状態を1か月続けるだけで、6か月目以降の数字が変わります。公開後にやることと一緒に、最初の1か月の予定を決めておいてください。

この章のポイント:更新が落ちるのは3〜6か月目です。この時期に相談できる相手がいるかどうかで、1年後の姿が変わります。

10更新マニュアルの作り方|引き継げる形にする

要点:更新マニュアルは、全機能を網羅するより、実際に行う作業だけを画面写真つきで並べたものが役に立ちます。A4で5〜10枚が目安です。作業ごとに1枚にまとめておくと、担当者が代わってもそのまま使えます。

分厚いマニュアルは読まれません。実際に使われているのは、A4で5〜10枚ほどの薄いものです。中身は次の構成にしてください。

  • ログインの手順。URL、IDの管理場所、パスワードを忘れたときの連絡先まで書きます。
  • 作業ごとの1枚。お知らせを出す、実績を追加する、写真を差し替える。作業単位で1枚ずつ用意します。
  • やってはいけないこと。触ると崩れる箇所を、画面写真に印をつけて示します。
  • 困ったときの連絡先。制作会社の窓口と、社内の管理者の名前を書いておきます。

作業ごとに1枚にするのは、引き継ぎのためです。異動のときに全部を教える必要がなくなり、「この3枚だけ覚えてください」で済みます。

もうひとつ、注意点があります。更新のなかで古いページを消すときは、削除の前に相談してください。検索から入ってきていたページを消すと、アクセスが減ることがあります。アクセスが減ったときの原因と対処に、よくあるパターンをまとめています。

この章のポイント:マニュアルは薄く、作業ごとに1枚。網羅性より、引き継ぎやすさを優先してください。

11WordPressで自社更新するときの注意点

要点:WordPressで自社更新する場合、記事の投稿は社内、本体とプラグインの更新は制作会社、という分け方が安全です。更新作業とシステム管理を同じ人に任せると、放置されたときのリスクが大きくなります。

国内の企業サイトでよく使われているCMSがWordPressです。自社更新との相性はよいのですが、気をつける点が3つあります。

  1. 本体とプラグインの更新は社内で行わない。更新に失敗すると画面が真っ白になることがあります。バックアップを取れる体制がある側が担当します。
  2. プラグインを勝手に追加しない。便利そうに見えても、相性の問題でサイトが止まることがあります。追加は管理者を通す運用にします。
  3. 放置しない。更新を止めたまま何年も動かすと、乗っ取りの対象になります。放置したWordPressの危険性で実例を紹介しています。

つまり、社内が担当するのは「中身を書き換えること」、制作会社が担当するのは「土台を守ること」です。この線引きをはっきりさせておけば、自社更新にしても安全性は下がりません。

あわせて、最低限のセキュリティ対策は公開前に済ませておいてください。担当者が増えるほど、ログイン周りの管理が重要になります。

この章のポイント:中身は社内、土台は制作会社。この分担にしておけば、自社更新にしてもサイトの安全性は保てます。

12まとめ|「更新が続く」を設計する

要点:ホームページを自社更新できるようにする方法は、範囲を絞り、担当を2人決め、権限を3段階に分け、公開前に研修を受けることに尽きます。CMSの導入は入り口にすぎません。続く仕組みは制作中にしか作れません。

ここまでの内容を振り返ります。

  • 開けるのは月1回以上さわる箇所だけ。お知らせ・ブログ・実績・求人が基本です。
  • 判断の軸は頻度・影響・人の3つ。2つ以上そろえば自社更新にする価値があります。
  • 研修の有無で継続率は24%と68%。差はたった2時間の研修です。
  • 担当は2人、権限は3段階。属人化を防ぐいちばん簡単な方法です。
  • 落ちるのは3〜6か月目。公開後1か月の伴走が、その後を左右します。

お見積りを見るときは、金額の下に「操作研修」「マニュアル作成」の行があるかを確認してください。そこがない見積りは、公開後に更新が止まる前提になっている可能性があります。

進め方の全体像はホームページリニューアルのサービスページに、公開後の運用については公開後にやることの一覧にまとめています。

更新が続く形で、引き渡します。

ZenWeb Japanは2000年創業のWeb制作会社です。更新する箇所の切り分けから、権限の設計、操作研修まで含めてご提案します。いまのサイトのままCMS化できるかどうかのご相談だけでも構いません。

無料で相談する →

13よくある質問

要点:ホームページの自社更新について、ご相談の場で多くいただく質問をまとめました。いまのサイトのままCMS化できるか、パソコンが苦手でも大丈夫かといった、実際の不安に沿った内容です。

1. いまのホームページのまま、自社更新できるようにできますか

作り方によります。HTMLで書かれた静的なサイトでも、更新したい箇所だけをCMS化する方法があります。ただし、ページ構成が古い場合は、リニューアルと同時に行ったほうが結果的に安く済むことが多いです。まずは現状のサイトを拝見したうえでご案内しています。

2. パソコンが苦手でも自社更新はできますか

できます。お知らせやブログの更新は、文章を入力して公開ボタンを押すだけの作業です。Wordが使える方なら問題ありません。不安な場合は、更新する箇所をさらに絞って、入力項目を固定したひな形を用意する方法もあります。

3. 自社更新にすればメンテナンス契約は解約できますか

おすすめしません。自社で行うのは中身の更新で、システム本体やプラグインの更新、バックアップ、障害時の対応は別の作業だからです。更新代行の分だけメンテナンスの内容を軽くして、管理は残す形が現実的です。

4. 更新を担当する人が辞めてしまったらどうなりますか

マニュアルと権限の設計ができていれば、引き継ぎは数時間で終わります。反対に、1人だけがすべてを把握していた場合は、そこで更新が止まります。だからこそ、最初から担当者を2人にしておくことをおすすめしています。

5. CMS化にはどのくらい費用がかかりますか

更新したい箇所の数と、ひな形をいくつ作るかで変わります。お知らせだけを部分的にCMS化する場合と、サイト全体を作り直す場合では、金額の桁が変わります。ZenWeb Japanでは案件ごとの見積り制ですので、開けたい範囲をうかがったうえでお出ししています。

まずは、いまお困りのことを聞かせてください

ご相談は無料です。要件が固まっていない段階でも構いません。内容をうかがったうえで、進め方とお見積りをご提案します。

Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *