ホームページ制作の基礎

DNS設定の方法|ドメインとサーバー紐付け手順

最終更新日:2026年8月12日 ZenWeb Japan 編集部
結論:DNS設定そのものは、管理画面で数分あれば終わります。事故になるのは、切り替えの段取りを飛ばしたときです。TTLを先に短くする、旧サーバーをすぐ解約しない、メール用のレコードを控えておく。この3つで当日のトラブルはほぼ防げます。

01はじめに|この記事でわかること

要点:この記事では、ドメインとサーバーを紐付けるDNS設定の方法を、5つのステップで説明します。あわせて、反映までの実際の時間と、うまくいかないときの確認手順まで扱います。ホームページ制作の公開直前に読む想定です。

「ドメインは取りました。サーバーも契約しました。でも、アクセスしても何も出ません」。公開を数日後にひかえたお客様から、よく届く連絡です。

原因はたいていDNS設定です。ドメインとサーバーは、契約しただけではつながりません。「このドメインは、このサーバーを見てください」と教える作業が別に必要になります。

操作は数分で終わります。ただ、切り替えは世界中に少しずつ伝わるため、押した瞬間に全員が新しいサーバーを見るわけではありません。

ここでは、2000年創業のWeb制作会社ZenWeb Japanが公開作業で使っている順番を、そのまま公開します。ドメインがまだの方は、先に独自ドメインの取得方法をご覧ください。

この章のポイント:つまずくのは操作ではなく、切り替えが伝わるまでの時間の扱い方です。段取りを先に決めておくと、当日は静かに終わります。

まずは実際の管理画面の雰囲気をつかんでおきましょう。レンタルサーバー事業者の解説動画を先に見ておくと、後半が読みやすくなります。

【エックスサーバー】ドメイン設定

出典動画:エックスサーバー株式会社(YouTube)


02DNS設定とは?ドメインとサーバーをつなぐ仕組み

要点:DNSは、ドメイン名と、サーバーの住所であるIPアドレスを対応づける仕組みです。DNS設定とは、その対応表に「自社のドメインはこのサーバー」と書き込む作業を指します。ドメインの種類が何であっても、やることは同じです。

ブラウザにドメイン名を入れても、コンピューターはそのままでは行き先がわかりません。通信で使うのはIPアドレスという数字だからです。その対応を調べる仕組みがDNS(Domain Name System)で、JPドメイン名を管理するJPRSも同じように説明しています。

電話帳に近い仕組みだと考えてください。会社名だけでは電話をかけられません。番号を調べて、はじめてつながります。DNS設定は、その電話帳に自社のページを載せる作業です。

大事なのは、電話帳が1冊ではないことです。世界中の事業者が、それぞれ写しを持っています。だから書き換えても、全員の手元がそろうまでに時間差が出ます。これが後半のトラブルの原因です。

この章のポイント:DNSは世界中に写しが配られる電話帳です。書き換えは一瞬でも、行き渡るまでには時間がかかると考えてください。

03設定方法は2通り|ネームサーバー変更とレコード指定

要点:紐付けの方法は2つです。ネームサーバーごと変える方法と、レコードを1件ずつ向ける方法。まとめて移すなら前者、メールを今の場所に残すなら後者です。サーバーの種類が変わっても選び方は同じです。

最初に決めるのはここです。どちらを選ぶかで、そのあとの作業も、戻すときの手間も変わります。

  • ネームサーバーを変更する。ドメインの管理をまるごとサーバー会社側に預ける方法です。以後の設定はサーバーの管理画面でおこないます。Webもメールもまとめて移すなら、これがいちばん簡単です。
  • DNSレコードを個別に指定する。Webはこのサーバー、メールは別の場所、と1件ずつ向ける方法です。細かく分けられる代わりに、設定漏れが起きやすくなります。

迷ったときの目安はひとつです。今あるメールを止めたくないなら、レコード指定を選んでください。ネームサーバーごと変えると、それまでのメール設定が引き継がれず、送受信が止まることがあります。公開当日の相談で最も多いのが、このパターンです。

反対に、新しく作るサイトでメールも同じサーバーに置くなら、ネームサーバー変更のほうがラクです。設定場所が1か所にまとまります。

この章のポイント:メールを今の場所に残すかどうかで決まります。残すならレコード指定、まとめて移すならネームサーバー変更です。

公開日を決める前に、段取りを確認しませんか?

ドメインの調査から当日の立ち会いまで、制作の工程に組み込んでいます。 ホームページ制作の進め方を見る →


04DNS設定の手順|5つのステップ

要点:手順は5つです。管理会社の確認、TTLの短縮、現在の設定の控え、サーバー側でのドメイン追加、DNSの書き換え。順番を入れ替えないことが大切で、TTLの短縮は前日までに済ませてください。公開日は制作の初期段階で決めておくと動きやすくなります。

DNS設定をおこなう手順

新しいサーバーへ紐付けるとき、当社が実際に踏んでいる順番です。既存サイトが動いている場合も、そのまま使えます。

  1. ドメインの管理会社を確認する。DNSを触れるのは、ドメインを買った会社の管理画面です。前任者が退職してわからないときは、ドメイン名で検索できるWhoisサービスで調べられます。
  2. TTLを短くする。TTLは、設定の写しを何秒間そのまま使ってよいかを表す数字です。既定では1日分のことが多いため、2〜3日前に5分〜1時間へ縮めておきます。この一手間が当日の待ち時間を縮めます。
  3. 今の設定をすべて控える。レコードの一覧を、そのまま画像で保存してください。特にメール用のMXレコードと認証用のTXTレコードは、消すと復旧に時間がかかります。
  4. 新しいサーバー側にドメインを追加する。先に受け入れ準備を済ませます。SSL証明書の発行もこの段階です。順番を逆にすると、切り替え直後に警告画面が出ます。
  5. DNSを書き換えて、反映を確認する。ネームサーバーを変えるか、Aレコードを新しいIPアドレスに向けます。書き換えたら、社外の回線からも表示を確認してください。

かかる時間は、既存サイトがある場合で1時間前後です。曜日にもコツがあります。月曜の朝と金曜の夕方は避けてください。月曜は問い合わせが集中し、金曜夕方は不具合が出ても対応が翌週になります。当社では火曜から木曜の午前中を標準にしていて、移転の全体手順もこの前提で組み立てています。

この章のポイント:TTLの短縮と設定の控えは、書き換えより前に済ませます。切り替えは火曜から木曜の午前中に。

05主なDNSレコードの種類と役割

要点:覚えておきたいレコードは5種類です。Webの行き先を決めるAレコード、別名をつけるCNAME、メールの行き先を決めるMX、認証情報を入れるTXT、管理を任せる先を示すNS。独自ドメインメールを使うならMXは必須です。

管理画面には略語が並びますが、実際に触るのはこの5つだけです。

レコード 役割 触る場面
A ドメインをIPアドレスに対応させる サーバーを移すとき
CNAME 別のドメイン名の別名として扱う 外部サービスを自社ドメインで使う
MX メールの届け先を指定する メール環境を作る・移すとき
TXT 送信ドメイン認証や所有者確認の情報 SPF設定・各種サービスの認証
NS ドメインの管理を任せる先を示す ネームサーバーを変更するとき

いちばん事故が多いのはMXです。Webの引っ越しだけを考えて作業すると、MXリソースレコードが新しい設定に含まれず、その日から受信が止まります。

この章のポイント:実務で触るのは5種類だけです。Webの移転でも、MXとTXTを引き継ぐことを忘れないでください。

06切り替え後の経過時間別・反映率

要点:TTLを事前に1時間へ縮めた案件では、切り替えから1時間で約7割、6時間で9割を超えました。「最大72時間」と案内されがちですが、準備をした案件の待ち時間はもっと短く済みます。

切り替え案件で、経過時間ごとに新サーバーへ届く割合を集計しました。サーバー移転の手順と合わせて読むと、当日を組み立てやすくなります。

切り替え後の経過時間別・反映率
DNS切り替え後の経過時間ごとに、新サーバーへ到達した割合と現場の状況
経過時間 反映率 現場での見え方
30分後 42% 社内は旧、スマホは新
1時間後 68% 外部への案内を出せる
3時間後 85% 問い合わせが止まる
6時間後 93% 残るのは社内の端末
24時間後 99% 実務上は完了
48時間後 100% 旧サーバー停止の目安

出典:ZenWeb Japanの切り替え案件の集計、2024〜2026年、日本国内。TTLを1時間へ短縮したケース。

遅れて見えるのは、たいてい社内のパソコンです。一度調べた結果を手元にためこむため、外からは新サイトが見えているのに社内だけ古いまま、という状態になります。TTLを事前に縮めておくと、この差が短くなります。

この章のポイント:準備をした切り替えなら、実務上は当日中に落ち着きます。72時間は、準備をしなかった場合の上限です。

07反映されないときの確認手順

要点:まず、自分の回線以外から見てください。スマートフォンのモバイル通信で表示できれば、DNSは正しく、社内側に写しが残っているだけです。詳しい切り分けはサイトが表示されない原因で解説しています。

上から順に試せば、原因はすぐ絞り込めます。

  • 別の回線から開く。スマートフォンのモバイル通信で表示できれば、設定は届いています。あとは待つだけです。
  • ドメイン管理会社の画面を見直す。変えたつもりで保存ボタンを押していないケースがあります。
  • サーバー側にドメインが登録されているか確かめる。DNSが正しくても、受け入れ設定がなければ初期画面が出ます。
  • www有無の両方を試す。片方だけ設定されていることがあります。どちらでも同じページに来るのが正しい状態です。
  • SSLの警告が出ていないか見る。証明書が未発行だと、表示はできても警告で止まります。

ここまでで解決しないなら、原因はDNSの外にあります。サーバー側の設定か、サイトのプログラム側を疑ってください。

この章のポイント:最初にやることは別回線からの確認です。ここで見えるなら、設定はもう終わっています。

08切り替えトラブルの原因と復旧時間

要点:いちばん多い原因はTTLを縮めずに切り替えたことで、全体の3割強を占めます。ただ、復旧に最も時間がかかるのは旧サーバーの早すぎる解約でした。件数と痛みは別物です。

届いた案件を原因別に整理しました。SSL証明書の準備が絡むものもあります。

DNS切り替えトラブルの原因別・発生率と復旧時間
DNS切り替え後に発生したトラブルの原因ごとの割合と、復旧までにかかった時間
原因 発生率 復旧までの目安
TTLを縮めずに切り替えた 34% 半日
MXレコードを移し忘れた 22% 3時間
旧サーバーを先に解約した 18% 2日
SSLを新サーバーで未発行だった 15% 2時間
サブドメインを移し忘れた 11% 1時間

出典:ZenWeb Japanに届いたトラブルの集計、2024〜2026年、日本国内。バーの長さは発生率。

注目したいのは3行目です。件数は多くないのに、復旧に2日かかります。解約するとデータが消え、戻す先がなくなるからです。切り替え中はメールが新旧どちらにも届くので、旧側の受信箱も開いておいてください。解約は落ち着いた2週間後で十分です。

この章のポイント:頻度が高いのはTTLの見落とし、痛みが大きいのは旧サーバーの早期解約です。解約だけは急がないこと。

古いサイトから、安全に切り替えたい方へ

既存サイトを動かしたまま新サイトへ移す手順を設計します。 リニューアルの進め方を確認する →


09切り替え方式別・採用比率と当日トラブル率

要点:最も多いのはネームサーバーごと変える方式で、全体の6割強です。当日トラブル率が最も低いのはAレコードのみを変える方式でした。触る範囲が狭いほど安全です。

どの方式が多く、どれが安全なのか。案件を方式別に整理しました。共用・VPS・専用の違いも踏まえて選んでください。

切り替え方式別・採用比率と当日トラブル率
DNS切り替えの方式ごとの採用比率、全反映までの日数、当日トラブル率、向いているケース
方式 採用比率 当日トラブル率 向いているケース
ネームサーバーごと変更 63% 12% サイトとメールをまとめて移す
Aレコードのみ変更 24% 7% メールは今の場所に残す
サブドメイン単位で変更 9% 5% LPや採用サイトのみ別
権威DNSを外部サービスへ移す 4% 19% 複数サービスを1か所で管理

出典:ZenWeb Japanの切り替え案件の集計、2024〜2026年、日本国内。

権威DNSを外部へ移す方式だけ、トラブル率が跳ね上がっています。作業が難しいというより、移した先に写すレコードが多く、抜けが起きやすいためです。運用が固まってから検討するくらいでちょうどよいと考えています。

この章のポイント:触る範囲が狭い方式ほど安全です。最初から高機能な構成を目指す必要はありません。

10使い終わったDNS設定を放置しない

要点:外部サービスの利用をやめたら、そのとき追加したレコードも削除してください。参照先が消えたまま残った設定は、第三者に乗っ取られる入口になります。ドメインの更新管理と同じ日に棚卸しするのがおすすめです。

あまり語られない話です。追加する記事は多い一方、消す話はほとんど出てきません。ですが、実務で怖いのは消し忘れのほうです。

JPRSは2025年1月に、サービス終了後に残っているDNS設定を利用したサブドメインの乗っ取りについて注意を呼びかけています。外部サービスを自社のサブドメインで使い、解約後も参照先を向けたままにすると、第三者に自社ドメインの下へ偽サイトを置かれるおそれがある、という内容です。

こうした設定は外から検出できるため、放置すれば見つかります。防ぎ方は単純で、使うのをやめた日に、追加したレコードも消すことです。

あわせて、常時SSLの設定や認証用のTXTレコードも、年1回は見直してください。使っていないサービスの情報が残っていることがよくあります。

この章のポイント:追加した設定は、使い終わった日に消します。年1回の棚卸しを、ドメイン更新の作業とセットにしておくと忘れません。

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11事前チェックの実施有無と当日トラブル率

要点:5つの事前チェックは、どれも実施した案件のトラブル率が1割を切りました。差が大きいのはTTLの短縮で、やらなかった案件は3割強がつまずいています。前日の30分が当日を守ります。

項目ごとに、実施した案件としなかった案件を並べました。

事前チェック項目別・当日トラブル率の比較
事前チェック項目ごとに、実施した案件と実施しなかった案件の当日トラブル率を比較
事前チェック項目 実施した案件 実施しなかった案件
72時間前にTTLを短縮 6% 31%
MX・TXTレコードの控えを保存 4% 27%
hostsファイルで事前確認 5% 24%
旧サーバーを2週間以上残す 3% 22%
SSL証明書を先に発行 7% 19%

出典:ZenWeb Japanの切り替え案件の集計、2024〜2026年、日本国内。数値は当日トラブル率。

5項目すべてを終えるのに、実作業は30分ほどです。それでトラブル率が2割から数%まで下がるなら、やらない理由はありません。

この章のポイント:5項目のチェックは30分で終わります。その30分が、当日のトラブル率を大きく下げます。

12自分でやるか、制作会社に任せるか

要点:新しいドメインで新規サイトを公開するだけなら、自社で十分です。既存サイトが動いている、メールも使っている、ドメインを他社が管理している。2つ以上あてはまるなら依頼を検討してください。

分かれ目は、失敗したときに戻せるかどうかです。誰も見ていないドメインなら直せます。取引先がメールを送ってくるドメインなら、数時間の停止でも影響が出ます。

自社でおこなうなら、そろえておきたいのは3つです。管理画面のログイン情報、レコード一覧の控え、サーバー会社のサポート窓口。これがあれば、たいていは自力で戻せます。

依頼するなら、確認したいのは作業範囲です。DNSの書き換えだけか、公開後の表示確認まで含むのか。当社はサイト制作の一環として、当日の立ち会いと翌営業日の確認までを標準にしています。

この章のポイント:新規公開なら自社で十分です。既存サイトとメールが動いているなら、依頼を検討するタイミングです。

13まとめ|DNS設定で失敗しないために

要点:DNS設定は、作業より段取りです。TTLを先に縮め、今の設定を控え、旧サーバーを2週間残す。この3つで当日は落ち着いて終わります。

扱った内容を順番に並べます。公開日が近い方は、チェックリストとしてお使いください。

  • 紐付け方式を決める。メールを残すならレコード指定、まとめて移すならネームサーバー変更。
  • 2〜3日前にTTLを縮める。ここが当日の待ち時間を決めます。
  • 現在のレコードを画像で控える。特にMXとTXTです。
  • 新サーバー側を先に完成させる。SSLの発行までを含みます。
  • 火曜から木曜の午前中に切り替える。問題が出てもその週に対応できます。
  • 旧サーバーは2週間残す。解約だけは急がないでください。

ドメインとサーバーの紐付けは、公開の最後の一歩です。段取りを先に決めておけば、当日は静かに終わります。


14よくある質問

要点:DNS設定についてよくいただく質問です。反映時間、レコードとの違い、メールへの影響、確認方法が中心です。

1. DNS設定が反映されるまで、どれくらいかかりますか?

事前にTTLを1時間へ縮めた場合、当社の集計では1時間で約7割、6時間で9割を超えます。実務上は当日中に落ち着きます。「最大72時間」は、TTLを縮めずに切り替えた場合の上限です。

2. ネームサーバーとDNSレコードは何が違いますか?

ネームサーバーは、そのドメインの設定を管理している場所そのものです。DNSレコードは、その中に書かれた1行1行の設定を指します。ネームサーバーを変えると管理場所ごと引っ越すため、レコードは作り直しになります。

3. DNS設定を変えると、メールは止まりますか?

ネームサーバーごと変更した場合、MXレコードを新しい場所で設定し直さないと受信が止まります。Aレコードだけを変える方法なら、メールの設定は残るため止まりません。

4. 設定が反映されたかどうか、確認する方法はありますか?

いちばん簡単なのは、スマートフォンをモバイル通信に切り替えてサイトを開く方法です。社内とは別の経路になるため、外からどう見えているかがわかります。

5. DNS設定は自分でやっても大丈夫ですか?

新しいドメインで新規サイトを公開するだけなら、自社でも問題ありません。既存サイトが動いている、社内でメールを使っている、ドメインを他社が管理しているという条件が重なるほど、失敗の影響が大きくなります。

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