システム開発・DX

電子帳簿保存法とシステム対応|要件の整理

最終更新日:2026年8月13日 ZenWeb Japan 編集部
結論: 電子帳簿保存法のシステム対応で義務にあたるのは、電子取引データの保存だけです。会計ソフトを入れ替える話ではありません。請求書のPDFがどこから入ってくるかを洗い出し、検索の3項目と改ざん防止をどのシステムに持たせるか決めます。

01はじめに|この記事でわかること

要点: この記事は、電子帳簿保存法を条文の順ではなく、いま動いているシステムの順で整理します。どのデータが対象になり、どの機能を足せば要件を満たすのか。改修の見積りを取る前に決めておく項目を並べます。

「請求書がメールのPDFで届きます。うちの販売管理システム、これ対応していますか」。システム改修のご相談で、いちばん多い切り出し方です。

2000年創業のWeb制作・システム開発会社ZenWeb Japanでは、Webシステム開発の要件定義でこの確認を済ませます。動き出してから足すより、設計の段で決めるほうが安く済むからです。

法律そのものの解説は、税理士の方や国税庁の資料が充実しています。ここで扱うのは一歩手前、要件を機能の言葉に置き換えて、どのシステムに持たせるかです。個別の税務判断は、顧問税理士や所轄の税務署にご確認ください。

この章のポイント: 電子帳簿保存法の対応は、ソフト選びではなく機能の配置を決める作業です。

まず、制度が3つに分かれていることから整理します。ここを混ぜると、必要のない改修まで見積りに入ります。

国税庁動画チャンネル「電子帳簿保存法のポイント!」

出典動画:国税庁動画チャンネル(YouTube)


02義務なのは電子取引データの保存だけです

要点: 電子帳簿保存法は3つの区分に分かれます。電子帳簿等保存とスキャナ保存は、使いたい会社が選ぶ仕組みです。義務は電子取引データの保存だけで、システム改修の話もここに集中します。

制度の名前が似ているので、最初に切り分けます。

  • 電子帳簿等保存。 自社で作った帳簿や決算書類を、データのまま保存する仕組みです。使うかどうかは会社が選べます。
  • スキャナ保存。 紙で受け取った領収書や契約書を、画像にして保存する仕組みです。これも選択制です。
  • 電子取引データ保存。 データでやり取りした取引情報を、データのまま保存します。こちらは選べません。

国税庁の電子帳簿等保存制度特設サイトも、この3つで入口が分かれています。見積りが膨らむ原因は、3つ全部に対応しようとすることです。スキャナ保存を含めると、解像度や入力期間の管理まで要ります。

電子取引にあたるのは、メール添付のPDF請求書、取引先サイトからダウンロードした明細、EDI、決済アプリの明細などです。紙で受け取ったものは対象外で、そのまま紙で保管して構いません。

この章のポイント: 3区分のうち、システム改修が必要なのは電子取引データ保存だけです。

いまのシステム、どこまで直せば足りますか。

お使いのシステム構成をうかがい、改修が要る箇所と運用で済む箇所を分けてお伝えします。 Webシステム開発の進め方を見る →


03電子取引データは、どこから入ってくるか

要点: 対応の設計は、要件ではなく受け口の一覧から始めます。メール添付が減り、取引先のWebポータルから取りに行く形が増えました。入口ごとに担当と保存先が変わるため、ここを描かないと改修範囲が決まりません。

年別|電子取引データの受け口の構成比
2023年から2026年上半期までの改修案件について、電子取引データが社内に入ってくる経路の構成比の推移を示した表
メール添付 取引先のWebポータル EDI EC・モールの管理画面
2023年 54% 21% 17% 8%
2024年 49% 26% 16% 9%
2025年 44% 31% 14% 11%
2026年上半期 41% 35% 12% 12%

出典:ZenWeb Japanが手がけた業務システム・ECサイトの改修案件で確認した受け口の集計(日本国内、2023〜2026年上半期)。業種と取引先の構成により傾向は変わります。

入れ替わっているのは、メール添付と取引先のWebポータルです。ポータル型は、誰かが取りに行かないとデータが社内に入りません。取り忘れが起きる分、運用の設計が要ります。

EDIが減っているのは、取引先の側がWeb画面に寄せているためです。連携が止まる前に、要件定義の段で受け口ごとの担当を決めておきます。

この章のポイント: 受け口の一覧が先です。入口が決まらないと、保存先も担当も決まりません。

04保存要件を機能の言葉に置き換える

要点: 保存要件は大きく2つ、真実性の確保と可視性の確保です。開発の言葉に直すと、改ざんを防ぐ仕組みと、探して読める仕組み。この2行に落としてから機能を割り当てると、話が早く進みます。

条文の用語のままでは、どの画面を作るか決まりません。翻訳してから配ります。

要件の呼び方 開発の言葉にすると 持たせる場所
真実性の確保 受け取ったデータを、あとから書き換えられない状態にする 保存領域と更新処理
可視性の確保(検索) 日付・金額・取引先で絞り込める 索引の項目と検索画面
可視性の確保(表示) 画面と書面で、すぐ読める形にして出せる 閲覧画面と出力機能
可視性の確保(備付け) 操作説明書を用意しておく 納品物とマニュアル

右端の列を見ると、改修が集中するのは保存領域と索引の2か所です。閲覧画面と出力は、たいていの業務システムにすでにあります。

国税庁の電子取引データ保存の要件チェックシートを、そのまま仕様の確認表として使えます。打ち合わせに持ち込んでください。

この章のポイント: 要件を機能に直すと、改修は保存領域と索引の2か所に絞れます。

05検索要件|3項目をどこで持つか

要点: 検索でそろえる項目は、取引年月日・取引金額・取引先の3つです。範囲指定と組み合わせ検索も原則は必要ですが、ダウンロードに応じられるなら免除されます。ここが設計の分かれ道です。

3項目をどこで持つかで、改修の重さが変わります。選択肢は3つです。

  1. ファイル名で持つ。 「20260813_200000_山田商事.pdf」の形にそろえます。改修は不要ですが、命名を守る運用が要ります。
  2. 一覧表で持つ。 表計算ソフトに索引を作り、ファイルと紐づけます。件数が増えると手が回らなくなります。
  3. システムで持つ。 受信時に3項目を自動で登録します。初期費用はかかりますが、運用の手間は最小です。

月に数十件までなら1と2で足ります。分かれ目は、担当者が変わっても続くかどうかです。命名規則は、担当が交代した月から崩れます。Excel業務をシステム化すべきサインと判断の勘所は同じです。

範囲指定と組み合わせ検索は、税務職員からのダウンロードの求めに応じられるなら免除されます。さらに令和5年度税制改正で、検索機能そのものが不要となる範囲が基準期間の売上高5,000万円以下に拡大されました。該当するかは顧問税理士に確認してから設計に入ります。

この章のポイント: 3項目の持ち方は3通り。件数より、担当が変わっても続くかで選びます。

06改ざん防止の4つの選択肢

要点: 真実性の確保は4つから選びます。タイムスタンプ、訂正削除の履歴が残る仕組み、訂正削除ができない仕組み、事務処理規程です。システム改修が要らないのは4つ目だけで、費用差はここで生まれます。

順に、何を作ることになるのかを見ます。

  • タイムスタンプを付ける。 受信後すみやかに付与します。総務大臣の認定を受けた事業者のサービスと連携する開発が必要です。
  • 訂正削除の履歴が残る仕組みにする。 誰がいつ何を変えたかを残します。データベース設計と更新処理に手が入ります。
  • そもそも訂正削除ができない仕組みにする。 保存先を分けて、書き込み権限を落とします。4つの中では軽い改修です。
  • 事務処理規程を定めて守る。 改修はしません。国税庁が各種規程のサンプルを配布しています。

費用だけなら4つ目が最短です。ただ、規程は「守っている」と言える運用があって成立します。誰がいつ確認したかを残す仕組みがないと、実態が伴いません。

現実的なのは組み合わせです。受け取るだけのデータは3つ目の保存領域に落とし、発行する請求データだけ2つ目の履歴を持たせる。インボイス制度に伴うシステム改修と同時期に検討すると、発行側の設計を一度で済ませられます。

この章のポイント: 4つは択一ではありません。受け取るデータと発行するデータで分けて選びます。

07対応方法別|改修の範囲と重さ

要点: 同じ「電子帳簿保存法のシステム対応」でも、選ぶ方法で触る場所が変わります。タイムスタンプは連携の開発、履歴はデータベース設計、保存領域の分離は権限まわり。どこに手が入るかを先に見ると、見積書が読めます。

対応方法別|主な改修対象と向いている場合
電子取引データの真実性を確保する4つの対応方法について、主な改修対象、改修の重さ、向いている企業の条件を整理した表
対応方法 主な改修対象 改修の重さ 向いている場合
タイムスタンプの付与 受信処理、外部サービス連携、付与の記録 重い 取引先が多く、原本性を対外的に示したい
訂正削除の履歴を残す データベース設計、更新処理、操作ログ 中〜重い 受発注から請求まで自社システムで完結している
訂正削除できない保存領域 保存先の分離、書き込み権限、バックアップ 中くらい 受け取るだけのデータが大半を占める
事務処理規程の整備 システム改修なし(保存場所の統一と運用) 軽い まず要件を満たし、改修は次年度に回したい

出典:国税庁「電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】」の要件をもとに、ZenWeb Japanが改修案件での作業範囲を整理(日本国内、2023〜2026年)。既存システムの構造により重さは変わります。

表の2行目と3行目は、似ていて作業が別物です。履歴を残す改修は、既存データの移行まで含みます。稼働中のシステムでは、ここが工期を決めます。

逆に3行目は、保存先を1つ増やして権限を落とすだけで済む場合があります。既存の画面に触らないので、テストの範囲も狭くなります。システム開発の見積もりの見方と合わせて読むと、工数の内訳を追えます。

この章のポイント: 履歴を残す改修は既存データの移行を伴います。工期の差はここに出ます。

4つのうち、どれが自社に合いますか。

取引の件数と受け口をうかがえば、費用と工期の見当をその場でお伝えできます。 無料で相談する →


08猶予措置は「対応しなくてよい」ではありません

要点: 保存要件を満たせない相当の理由が認められる場合、猶予措置が使えます。ただしデータは残す必要があり、ダウンロードの求めと書面の提示にも応じなければなりません。紙に戻してよい制度ではありません。

「猶予があるから、まだ何もしていません」。この受け取り方が、いちばん危ないところです。

猶予措置でも、次の3つは求められます。

  1. データそのものを残す。 消してしまうと、猶予の対象になりません。
  2. ダウンロードの求めに応じる。 求められたときに渡せる形で持っておきます。
  3. 書面で提示・提出できる。 印刷して出せる状態にしておきます。

つまり、保存先を1か所に決めて、消さずに貯める作業は今日から要ります。ここが抜けたままだと、数年分のPDFが個人のメールボックスに散らばった状態から集め直すことになります。

詳しい条件は、国税庁の令和6年1月以降の電子取引データの保存方法にまとまっています。まず保存場所を決める。改修はそのあとで構いません。

この章のポイント: 猶予措置でもデータの保管は必要です。保存先を1か所に決める作業は先に始めます。

09自社開発のシステムは事前に相談できます

要点: 市販ソフトにはJIIMA認証がありますが、自社開発のシステムは認証の対象外です。その代わり国税庁が、要件適合性に関する事前相談の窓口を用意しています。仕様を固める前に使える制度です。

この点は、あまり知られていません。

市販ソフトなら、国税庁が案内する対応ソフトの一覧から認証済みの製品を選べば、要件の確認はほぼ済みます。一方、自社開発のシステムは認証を受けられません。要件を満たすかどうかは、自分たちで確認します。

そこで用意されているのが、要件適合性に関する事前相談窓口です。各国税局と沖縄国税事務所に担当課が置かれ、自社開発のシステムを対象に相談を受け付けています。

使いどころは、設計が固まる前です。実装したあとに聞くと、直すのは作り直しになりますRFPを書く段階で、この確認を誰がいつ行うかまで決めておきます。

この章のポイント: 自社開発は認証の対象外ですが、事前相談の窓口があります。設計段階で使います。

10令和7年度改正|加算税の加重を外す仕組み

要点: 令和7年度税制改正で、一定の要件を満たして送受信・保存した電子取引データは、重加算税10%加重の対象から外れる措置が新設されました。適用は令和9年1月1日以後で、届出書の提出が要ります。設計に影響する改正です。

電子取引データは紙より複製や改ざんがしやすく、痕跡も残りにくい。だから隠蔽や仮装があると、重加算税が10%加重されます。この加重を外す道ができました。

国税庁の令和7年度税制改正による電子帳簿等保存制度の見直しの概要によると、新設された要件は3つです。

  1. 改ざん防止の確保。 送受信と保存を、訂正削除の履歴が残るシステム、または訂正削除ができないシステムで行います。
  2. 記帳の適正性の確保。 金額を訂正削除したうえで帳簿に記録できない、または訂正削除の事実を確認できるようにします。
  3. 電子帳簿との相互関連性の確保。 電子取引データと電子帳簿を、相互に確認できるようにしておきます。

対象になるシステムの範囲も決まっています。デジタル庁が管理する仕様に沿って送受信されたデジタルインボイス、または預貯金口座の決済データを、この要件どおりに保存できる機能を持つシステムです。どんな自社システムでも該当するわけではありません

適用は先ですが、いま作るシステムは数年使います。システムリプレイスを検討中なら、この3要件を仕様に入れるかどうか、いま判断する価値があります。

この章のポイント: 令和7年度改正は将来の話ですが、これから作るシステムの仕様には今から効きます。

11システム種別|対応で追加した機能

要点: 実際に足した機能を種別ごとに並べると、検索3項目の付与はどのシステムでも入ります。差が出るのは訂正削除の履歴と参照権限の分離で、ここは扱うデータの性質で判断が分かれます。

システム種別|電子帳簿保存法の対応で追加した機能の割合
業務システムの種別ごとに、電子取引データ保存への対応として追加した機能の割合を示した表
システム種別 検索3項目の付与 原本の非改変保存 訂正削除の履歴 参照権限の分離
販売管理システム 92% 78% 61% 55%
受発注システム 88% 84% 57% 63%
ECサイト 76% 71% 34% 48%
会計・基幹との連携部分 69% 58% 42% 71%

出典:ZenWeb Japanが手がけた業務システム・ECサイトの改修案件における追加機能の集計(日本国内、2023〜2026年上半期)。1案件で複数の機能を追加した場合を含みます。

ECサイトの行だけ、訂正削除の履歴が低く出ています。ECは自社が発行する側にまわるため、注文データの履歴がもともと残っているからです。あとから足す必要がありません。

逆に、連携部分は参照権限の分離が高く出ます。複数部署が触る場所だからです。API連携の設計で権限を後回しにすると、あとで全体を見直すことになります。

この章のポイント: 検索項目はどこでも要ります。履歴と権限は、発行側か受け取り側かで判断します。

12既存システムを直す順番

要点: 直す順番は、受け口、保存先、索引、画面です。逆から入ると、検索画面を作ったあとで保存の方式が変わり、作り直しになります。画面はいちばん最後で構いません。

改修の相談を受けたとき、最初に描くのは画面ではなく流れ図です。

  1. 受け口を確定する。 メール、ポータル、EDI、EC。それぞれ誰が受け取るかまで決めます。
  2. 保存先を1つにする。 部署ごとに散らさず、1か所に集めます。
  3. 索引の項目を決める。 取引年月日・取引金額・取引先を、受信時に自動で付けるのか、月末にまとめて付けるのかまで決めます。後者は必ず滞ります。
  4. 画面を作る。 検索と閲覧の画面は、ここまで決まってから設計します。

4番目を先に作りたくなる気持ちはわかります。目に見える成果物ですし、社内の合意も取りやすい。ただ、保存の方式が変わると画面の前提が丸ごと変わりますワイヤーフレームを作る段階では、保存と索引の方針が決まった状態を目指します。

この章のポイント: 受け口、保存先、索引、画面の順です。画面から入ると前提が崩れます。

13方針別|運用開始までの期間

要点: 着手から運用開始までの期間は、方針で4倍ほど開きます。規程と運用でそろえるなら2週間ほど、既存システムへの機能追加なら3か月前後。決算期から逆算して選ぶのが現実的です。

対応方針別|着手から運用開始までの期間の目安
電子取引データ保存への対応方針ごとに、着手から運用開始までにかかった期間の目安を示した表
対応方針 期間の目安 相対
事務処理規程とファイル名の運用でそろえる 約2週間
保存専用の領域を分けて作る 約6週間
既存システムに機能を追加する 約12週間
認証を受けたパッケージへ寄せる 約16週間

出典:ZenWeb Japanが手がけた改修案件で、着手から運用開始までに要した期間の集計(日本国内、2023〜2026年上半期)。既存データの移行量と社内承認の速度により前後します。

いちばん下が長いのは、開発期間より既存データの移行と、業務のやり方を合わせ直す時間が入るためです。パッケージへの移行を、この法対応だけを理由に選ぶと割に合いません。

期限が近いなら、1行目で要件を満たし、翌年度に3行目へ移る二段構えが取れます。小規模から始めるDXと同じで、全部を一度に変えないほうが定着します。

この章のポイント: 期間は方針で4倍開きます。期限が近いなら二段構えで進めます。

決算期に間に合う進め方を組みませんか。

残りの期間から逆算して、今期に済ませる範囲と来期に回す範囲を分けてご提案します。 システム開発の相談内容を見る →


14ECサイトや受発注で見落としやすい箇所

要点: 抜けやすいのは、自社が発行する側のデータです。注文確認メールや領収書の再発行、決済代行会社の明細。受け取る請求書ばかり見ていると、出ていくデータの保存が抜けます。

実際に指摘されやすい箇所を挙げます。

  • 注文確認メールの控え。 送信した内容も取引情報です。送信ログだけで再現できるか確認します。
  • 領収書のダウンロード機能。 購入者が何度でも生成できる作りだと、そのつど内容が変わらないかを見ます。
  • 決済代行会社の明細。 管理画面から取りに行く形が多く、担当者が退職すると誰も取れなくなります。
  • モール出店分の売上明細。 保存期間が過ぎると管理画面から消えるサービスもあります。

4つ目は特に見落とされます。取引先のシステムに置いたデータは、自社で保存したことになりません。定期的に取得して保存先へ移す処理を組みます。ECサイトの構築では、初期の要件に入れています。

権限まわりも一度に整理すると効率的です。個人情報保護法へのWebサイト対応や、業種の規制がある場合の医療広告ガイドラインへの対応も、結局は「誰が何を触れるか」の設計に行き着きます。法令ごとに改修を積むより、一度で済ませるほうが安く仕上がります。

この章のポイント: 抜けるのは発行側のデータと、外部サービスに置いたままの明細です。

15まとめ|決める順番

要点: 電子帳簿保存法のシステム対応は、対象の切り分け、受け口の洗い出し、改ざん防止の方式、索引の持ち方の順で決めます。この4つが決まれば見積りの前提がそろい、金額を比較できます。

ここまでを、着手からの順に並べます。

  1. 対象を切り分ける。 義務は電子取引データの保存だけ。スキャナ保存を含めるかは、別に判断します。
  2. 受け口を洗い出す。 メール、ポータル、EDI、EC、決済。担当者まで書き出します。
  3. 改ざん防止の方式を選ぶ。 受け取るデータと発行するデータで、分けて選びます。
  4. 索引の持ち方を決める。 ファイル名、一覧表、システム。担当が変わっても続く形にします。

この4つが決まっていないと、複数社から見積りを取っても前提がそろわず、金額を比べられません。決まっていれば、システム開発の費用相場と照らして妥当性を判断できます。

迷ったときは、国税庁の一問一答に戻ってください。実務の疑問は、たいていここに載っています。


16よくある質問

要点: ご相談の多い5つの質問です。会計ソフトの入れ替え、自社開発での適合、索引の置き場所、猶予措置の扱い、費用の考え方の順にお答えします。

1. 対応のために、会計ソフトを入れ替える必要はありますか

多くの場合、入れ替えなくても対応できます。義務は電子取引データの保存で、会計処理とは別の話だからです。保存先を決め、検索の3項目と改ざん防止をどこかで満たせば要件は満たせます。入れ替えは、ほかに困りごとがあるときの選択肢です。

2. 自社開発のシステムでも要件を満たせますか

満たせます。市販ソフトのような認証制度の対象にはなりませんが、要件そのものは機能の話です。国税庁が自社開発システム向けに、要件適合性の事前相談窓口を設けています。設計が固まる前に相談すると、作り直しを避けられます。

3. 検索の3項目は、どのシステムで持つのがよいですか

データを最初に受け取るシステムです。あとの工程で付け直すと、付け忘れが必ず出ます。メールで受け取るものが多いなら、受信から保存までを1つの流れにまとめてしまうのが確実です。件数が少ないうちは、ファイル名の規則でも足ります。

4. 猶予措置があるなら、いま改修しなくてもよいのでは

改修は待てますが、データを残す作業は待てません。猶予措置でも、データそのものの保管と、ダウンロードや書面提示への対応は求められます。保存先を1か所に決めて貯め始めることだけは、今日からしておいてください。あとから集め直すほうが大変です。

5. 改修の費用は、どのくらいを見ておけばよいですか

選ぶ方式で大きく変わるため、一律の相場をお伝えするのは難しいところです。規程の整備なら改修費はかからず、既存システムへの機能追加なら数か月分の工数がかかります。対象の切り分け、受け口、改ざん防止の方式、索引の持ち方を決めてから見積りを取ると、金額を比較できます。

電子帳簿保存法まで踏まえた設計ができる開発会社をお探しですか?

ZenWeb Japanは2000年創業のWeb制作・システム開発会社です。受け口の洗い出しから保存領域の設計、検索項目の付与まで、要件を機能に落としてご提案します。お気軽にご相談ください。

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